The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

シンポジウム08(II-SY08)
専門医委員会セッション

小児循環器専門医制度がめざすもの

Fri. Jul 22, 2022 4:40 PM - 5:40 PM 第1会場 (特別会議室)

座長:土井 庄三郎(国立病院機構 災害医療センター)
座長:山岸 敬幸(慶應義塾大学医学部 小児科)

[II-SY08-01] 【Keynote Lecture】日本専門医機構のサブスペシャリティ領域に関する考え方と小児医療のサブスペシャリティの在り方

高橋 孝雄 (慶應義塾大学医学部小児科)

Keywords:専門医制度, サブスペシャリティ, 小児医療

 日本専門医機構が考える機構により認定されるべきサブスペシャリティ領域とは、制度設計(研修指針の整備、試験制度など)が確立していること、既に相当の実績(専門医数、研修施設数など)があること、患者数が多いこと、国民の認知度が高く標榜する医療施設が全国にくまなく存在していること、などの条件を満たす領域である。これらの要件を満たす医療こそが国民にとって必要不可欠な医療である、との考えであろう。
 一方、小児医療においては、そもそも小児人口は少なく、疾患数は非常に多く、サブスペシャリティ領域の数は内科のそれよりも多い。つまり少ない患者と広い守備範囲を持つ。また、専門性の高い医療を提供できる施設は政策により集約化されている。結果として、制度設計においては遜色のないものであるにもかかわらず、数の基準を全く満たしえない。そのような小児医療の特殊性を踏まえて専門医制度を構築しない限り、国民の健康の維持、増進に貢献する専門医の育成国民にとってわかりやすい医療制度の整備は片手落ちとなる。
 小児医療にかかわるサブスペシャリティ領域専門医制度は特区として整備されるべきである。このような状況は、むしろ小児医療の質、専門医の資質のさらなる向上を目指す上で千載一遇のチャンスとも言える。