第58回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム10(II-SY10)
ACHD・心不全の緩和医療

2022年7月22日(金) 10:10 〜 11:40 第2会場 (大ホールA)

座長:犬塚 亮(東京大学 小児科)
座長:仁田 学(横浜市立大学附属病院次世代臨床研究センター(Y-NEXT)/循環器内科)

[II-SY10-01] 心不全における緩和医療について

中川 俊一 (コロンビア大学 成人緩和ケア科)

キーワード:心不全, 緩和医療, コミュニケーション

緩和医療というと、従来、終末期医療と混同され、根治治療が奏功しなくなってはじめて開始される医療と捉えられてきたが、実際には心不全と診断されたその日からいわゆる根治的な治療と並行して提供されなくてはならない。特に日本では保険診療における緩和医療の対象が最近まで悪性疾患とエイズに限定されていることもあり、循環器診療に携わる医療者には馴染みが薄い領域と考えられる。本講演ではまず緩和医療の概念を説明し、心不全で特に重要になるコミュニケーション (アドバンスケアプラニング)、および終末期における治療ゴールの設定について、筆者の米国での経験に基づいて解説する。