[II-SY14-09] 先天性心疾患児のRSV予防委員会
Keywords:パリビズマブ, COVID-19, コンセンサスガイドライン
RSウイルスは、日本における3歳未満の呼吸器感染症入院患者の3割以上の原因を占める。早産、慢性肺疾患、先天性心疾患などの基礎疾患を有する乳幼児では、RSウイルス感染による呼吸器症状が重症化するリスクが高いことが知られている。RSウイルス感染症に対する特異的な治療法は確立されていないため、RSウイルス感染対策として標準予防策、接触予防策およびスタッフ教育と家族指導が重要で、重症化抑制には抗RSウイルス抗体(パリビズマブ:商品名シナジスR)の有効性が認められている。パリビズマブは、日本では2002年に早産児および慢性肺疾患に対し、2005年に先天性心疾患に対し承認された。さらに2013年に免疫不全症およびDown症候群が世界で初めて新規適応症として追加承認され、適応が拡大した。パリビズマブの適正使用について各関連学会主導でガイドラインが整備されてきたが、昨今のRSウイルス流行期の変化を受けて、日本小児科学会と関連10学会から統一化された「日本におけるパリビズマブの使用に関するコンセンサスガイドライン」が2019年に発表された。そしてCOVID-19パンデミックの影響を受け、RSウイルス感染症対策は新たな局面を迎えている。