[II-TRP-05] 慢性疾患をもつ児童・青年への栄養食事指導
Keywords:小児, 慢性疾患, 栄養食事指導
当院は、北海道札幌市に位置する特定機能病院であり、道内外から児童・青年期にあたる患者さんが受診され、治療内容やライフステージにより、小児科をはじめさまざまな診療科において治療されています。栄養食事指導は、各診療科の医師より申し込みがあった患者さんに対して個別指導を行っていますが、疾患は多岐にわたり、聞きなれない疾患や併存疾患、合併症の存在、それぞれの患者さんの置かれている環境も異なること、などにより手探りの指導となることも少なくありません。児童・青年期における食や栄養は、心身の成長や発達、人間性や社会性の形成、生涯にわたる健全な心と身体を培う、など共通の多面的な役割や目的が基礎にあり、児童福祉や学校教育をはじめ、地域生活の様々な場面で学ぶ機会が設けられています。また、食や栄養に関する研究も多くの分野で取り組まれ、その情報は、書籍やインターネット、テレビやソーシャルネットワークなどのさまざまな媒体を通じて、誰もが幅広く詳細に入手することが可能となってきました。さらに、技術の進歩とともにさまざまな加工食品が出回るようになり、外食や中食産業の発展もあり、食事に多様性が生まれています。そのような選択肢が広がる環境の中で、疾患を有することにより、ご本人やご家族が日々の生活やライフステージごとのさまざまな場面において判断や選択に迷いや不安が生じたり、知らずに過ごしていたりすることもあると感じます。病院では、医師や看護師などさまざまな職種において食事や栄養への介入が行われています。個別指導の場面で行えることは限られていますが、栄養士の視点から栄養相談における実際を中心にお話しさせていいただきたいと思います。