[III-OR31-03] Candida Albicans Water Soluble Fractionを用いた川崎病モデルマウスにおいて、カンデサルタンは血管炎を抑制する
Keywords:川崎病, 冠動脈瘤, 血管炎
【背景】川崎病血管炎においてアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の抗炎症作用が期待されている。【目的】Candida Albicans Water Soluble Fraction(CAWS)を用いた川崎病モデルマウスを作成し、血管炎急性期のカンデサルタンの抗炎症作用を検証する。【方法】5週齢のDAB/2マウスにCAWS 0.5 mgを連続5日間腹腔内注射することで血管炎を惹起し、ARBとしてカンデサルタンを投与した。CAWS群、CAWS+ARB 0.25mg/kg投与群、CAWS+ARB 0.5mg/kg投与群、CAWS+ARB 1.0mg/kg投与群の4群を各群5匹ずつ用意した。CAWS投与終了後からARBの内服を開始し、4W後に屠殺、連続薄切切片を作成、炎症細胞潤面積と大動脈基部全体の組織面積を計測し、その比を血管炎の炎症細胞面積比として評価した。【結果】炎症細胞面積比はCAWS群、CAWS+ARB 0.25mg/kg投与群、CAWS+ARB 0.5mg/kg投与群、CAWS+ARB 1.0mg/kg投与群でそれぞれ18.1±1.9%、5.8±1.4%、6.8±1.9%、8.4±4.5%であった(p=0.0119)。Wilcoxon検定による各群間の比較では、CAWS群に比較しARB各群で有意な低下を認めていた(それぞれのp値は0.0122、0.0200、0.0122)。ARB各群間での有意差は認めなかった。【考察・結語】ARBはCAWS血管炎の急性期の炎症を抑制する効果があり、川崎病急性期治療への応用が期待できる。今後その炎症抑制機序について研究を進めていく予定である。