The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

その他

一般口演34(III-OR34)
その他

Sat. Jul 23, 2022 12:50 PM - 1:40 PM 第6会場 (小ホール)

座長:平田 陽一郎(北里大学 小児科)
座長:前田 潤(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

[III-OR34-02] 小児領域の新規医療機器開発における課題解決のための日米協力Academic Research Consortium (ARC)活動の提案

根本 慎太郎1, 富田 英2, 安河内 聰3, 坂本 喜三郎4, 高橋 彩来5, 方 眞美5, Gillette Nicole6 (1.大阪医科薬科大学, 2.昭和大学, 3.相澤病院, 4.静岡こども病院, 5.医薬品医療機器総合機構, 6.米国食品医薬品局)

Keywords:医療機器, 新規開発, Academia Research Consortium

【目的】高い臨床ニーズと様々な形での行政支援にもかかわらず、小児領域での医療機器の新規開発や上市は進んでいない。その阻害要因を抽出分析し、課題解決のための新たな方法論について検討すること。【方法】日米のアカデミアと規制当局が協力し2016年に開始したHarmony By Doing for Children活動と坂本班AMED研究事業を通じて実施した網羅的文献検索とアンケート調査から、上記阻害要因を抽出した。更にその解決への方策を検討した。【結果】阻害要因として、小規模な市場、対象病変の多様性と過小症例数、児の成長に対応する高い製造技術、煩雑で難関な薬事規制、開発コストに見合わない低い保険償還価格等が抽出された。国際共同開発による市場拡大の検討もされていたが、企業には事業化のハードルが高い現状が明らかとなった。 一方成人領域では、冠動脈ステント、カテーテル埋植大動脈弁等での国際共同治験の展開や機器開発の促進化に、アカデミア、規制団体、企業によるAcademia Research Consortium:ARC活動が有効に活用されていた。このARCでは、機器固有の安全性、有効性(成功基準)、合併症(機器関連、非関連)等の数値を用いた詳細な定義が公開され、もって開発方向性とプロセスの明確化、治験プロトコール作成、海外データの利活用の方法、審査の判定基準などが共通の基準として認識されることで、国際共同治験の促進や開発期間の短縮を可能とする有効なツールになっていた。【結論】小児の機器開発の困難性の克服にこそ、ARC活動は必須と考える。小児ARCの確立と活用により、臨床ニーズの高い肺動脈ステントや外科手術材料などの具体的な開発対象機器について、国際的治験プロトコール作成と薬事申請における指標と合意、製品開発の技術的要求設定指標を可能とさせ、償還価格設定などの事業予見性、人的ソースの拡等を図るなど、学会会員の協力の下、産官学の継続的な議論と提案が必要と考える。