The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

外科治療

一般口演36(III-OR36)
外科治療 Ⅲ

Sat. Jul 23, 2022 9:30 AM - 10:20 AM 第7会場 (ルーム204)

座長:白石 修一(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 呼吸循環外科学分野)
座長:新川 武史(東京女子医科大学 心臓血管外科)

[III-OR36-01] 未熟児動脈管開存閉鎖術後、Post PDA Ligation Cardiac Syndrome発症の予測因子

後藤 拓弥1, 小泉 淳一1, 高橋 卓也2, 佐藤 啓2, 中野 智2, 佐藤 有美2, 齊木 宏文2, 猪飼 秋夫3, 金 一1 (1.岩手医科大学 心臓血管外科, 2.岩手医科大学 小児科, 3.静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:post patent ductus arteriosus ligation cardiac syndrome, premature baby, predictor

【背景】未熟児動脈管開存症(未熟児PDA)に対する外科的閉鎖後の循環不全はpost PDA ligation cardiac syndrome: PLCSとして知られており、術後3割程度の症例に発症するとされている。動脈管閉鎖にともなう左室後負荷の増大、前負荷の減少が主な原因とされており、カテコラミン投与を必要とする低血圧が主な症状である。【目的】PLCS発症の予測因子を明らかにする。【方法】対象は2013年4月から2020年3月までに当院で外科的動脈管閉鎖術を施行したもののうち、出生体重1500g未満の児で他の心疾患や横隔膜ヘルニアを伴わない症例とした。術後24時間以内にカテコラミンを開始または増量した症例をPLCS群、そうでないものをnon PLCS群として後方視的に解析を行った。【結果】対象症例は46例でPLCS群9例、non PLCS群37例であった。観察期間中の手術死亡は3例(新生児壊死性腸炎1、敗血症2)、遠隔死亡はなかった。両群における性別、出生体重、手術時日齢、挿管期間、術後入院日数、新生児慢性肺疾患発症率、術前インドメタシン投与回数には差がなかった。またエコー上の動脈管径、左房/大動脈径比、左肺動脈拡張期血流速度にも差がなかった。 PLCS群で動脈管再開通症例が有意に少なく(1/7 vs. 19/30p<0.01)、閉鎖直後の収縮期血圧(47.0±7.9 vs. 56.1±10.1, p=0.01)が有意に低く、閉鎖前後の収縮期血圧の差はPLCS群で有意に小さかった(5.4±4.5 vs. 12.3±9.3、p=0.004)。閉鎖前の収縮期圧に差はなかったが、閉鎖前後の拡張期血圧に差はなかった。【結論】未熟児PDA外科的閉鎖において、動脈管未閉鎖症例、動脈管閉鎖前後の収縮期圧の差が小さいことは、PLCS発症の予測因子となり得る