[III-P6-1-01] 出生体重1582gのCritical AS, Borderline LV症例に対する治療戦略
Keywords:重症大動脈弁狭窄症, 低出生体重児, 経皮的大動脈弁拡大術
【背景】人工心肺手術が困難な低出生体重児において、経皮的大動脈弁形成術(PTAV)は重症大動脈弁狭窄症(cAS)に対する治療の第一選択とされる。境界型左室のcASに対しては、段階的な姑息術により左室発育と機能改善を促し二心室修復可能となる。【症例】在胎28週時に胎児心エコーで、critical AS, 心内膜線維弾性症(EFE), severe FGRと診断。胎児心エコーでは、左室壁運動低下およびMR Vp=1.7m/s、大動脈弓血流は逆行性であった。在胎37週5日、体重1582g、予定帝王切開で出生。出生時のSpO2は酸素投与下で90%、直ちに挿管管理とし臍静脈カテーテルを留置、心臓カテーテル室へ移動後に行なった心エコーではLVEF 14%, AVD 4.0mm(Z=-3.6), AoV Vp=2.3m/sであり、生後直ちに内頸動脈cut downよりPTAV施行した。日齢21両側肺動脈絞扼術施行、生後1か月にPFO狭小化を認めstatic BASおよび2回目のPTAVを施行した。その後も徐々に大動脈弁輪径の拡大、LVEFの改善を認め二心室修復可能と判断、生後2か月体重2.2kgで、AV plasty+PDA ligationを施行した。【考察】当院では体重≧2.2kgを外科的大動脈弁形成術の基準としている。PTAVは低体重児にとって早期の外科介入を回避できる低侵襲な治療であるが、近年の成績向上により外科治療も有力な選択肢となる。【結語】低出生体重児のcritical ASに対しbridgeとしてPTAVを行い、体重2.2kgで外科的大動脈弁形成術を施行した。生後6か月に至るが順調に経過している。