[III-P6-1-06] 中心肺動脈欠損、高度低形成を伴うPA/VSD/MAPCA症例の治療経過と予後
キーワード:PAVSD, MAPCA, hypoplasticPA
【背景】中心肺動脈欠損、高度低形成を伴うPA/VSD/MAPCA症例は、なるべく多くの肺血流区域を確保しながら中心肺動脈を形成、成長させ、MAPCAを統合する必要があり、治療に難渋する症例も多い【目的】中心肺動脈(centralPA)が欠損もしくは3mm未満であるPA/VSD/MAPCA症例の治療経過、予後を明らかにする【対象・方法】2012年から2021年の間に診療した上記症例を後方視的に検討【結果】<症例数>20(centralPA3mm未満12、MAPCAのみ8)<染色体異常>8(22q11.2欠失症候群7、6番染色体部分trisomy1)<MAPCA本数>1-7本(平均4本)<初回手術介入>18(BTS±Uniforcalization14、RVPAshunt2、palliativeRVOTR1、BAP for MAPCA1)<手術介入なし>2<初回介入年齢>47日~7歳9か月(中央値1歳)<その後の手術介入>0-3回<到達手術>RVOTR with VSDclsoure(=cRVOTR)9(45%)、palliativeRVOTR(fenestrated VSD closure含む)(=pRVOTR)4、BTS2<cRVOTR時年齢、体重>1歳1か月~7歳9か月(中央値4歳1か月)、8.9~21.3kg(中央値13.4kg)<RVOTR前PAindex>cRVTR:224±100mm2/m2、pRVOTR:121±21mm2/m2<cRVOTR後治療>re-RVOTR3、PAplasty1、MAPCAcoil塞栓2、肺動脈バルーン拡張0-5回<pRVOTR後治療>BTS追加+肺動脈ステント留置1、re-RVOTR1、MAPCAcoil塞栓1、肺動脈バルーン拡張0-4回<cRVOTR後のRVP/LVP、PA圧>0.39~0.98(中央値0.58)、31±14mmHg<pRVOTR後のRVP/LVP、PA圧>1.0~1.2、47±31mmHg<経過観察期間>4か月~22年10か月(中央値10年7か月)<経過中の合併症>MAPCAの閉塞3、BTS閉塞2、PA内血栓2<死亡>1(BTS後に死亡)【結語】当院では多くがBTS、Uniforcalizationを経てRVOTRを選択している。この疾患群はMAPCAの分布が多様であり、経過中にMAPCAの閉塞を来すものもあり、RVOTR術後も多発的肺動脈狭窄や肺高血圧など問題点は多数あるため、症例毎にカテーテル治療や手術を組み合わせて治療戦略をたてる必要がある