The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

カテーテル治療

ポスター発表(III-P6-3)
カテーテル治療 II

Sat. Jul 23, 2022 12:50 PM - 1:50 PM ポスター会場

座長:萱谷 太(大阪母子医療センター 小児循環器科)
座長:佐川 浩一(福岡市立こども病院 循環器科)

[III-P6-3-11] 経皮的ASD/PFO閉鎖術での安全な留置と被爆低減の両立を目指して

岡本 健吾, 中川 直美, 片岡 功一, 福嶋 遥佑, 鎌田 政博 (広島市立広島市民病院)

Keywords:心房中隔欠損閉鎖術, 卵円孔閉鎖術, 被曝

【背景と目的】経皮的ASD/PFO閉鎖術(閉鎖術)では,学会主導で合併症の情報共有がなされている.検証にはシネ画像の記録が強く推奨されているが,撮像条件は各施設/術者に委ねられ,当院では正側面像を記録している.シネ撮像の被曝量は通常透視の10倍近いとされ,被曝増加に影響する.自験例から安全な留置と被爆低減の両立について検討する.【対象と方法】2017-2021年に閉鎖術を施行した197例から,併存症評価を要した17例と多孔性欠損の12例を除く168例を対象とした.(1)シネ撮像数増加が空気カーマ値(KA)に与える影響と,(2)合併症のリスクや留置難度が高いと考えられる条件 (A: rim欠損≧2領域,B: バルーンサイジング径(BS)≧20mm,C: BS(mm)/体重(kg)≧0.8)例での留置施行やシネ撮像数を診療録から後方視的に検討した。【結果】閉鎖術時の年齢は1-85 (中央値12)歳,体重は7-95(36)kg,BSは5.3-36.1(15.9)mm,BS/体重は0.13-1.44(0.46),rim欠損0-5(1)領域,留置施行1-11(1)回,総透視時間4.2-34.1(12.3)分,シネ撮像4-46(10)回,KA 15-442(58)mGy.全例留置に成功し脱落や心侵食はなかった.シネ撮像数とKAには有意な正の相関(r=0.44)があった.A-Cの各条件で,留置施行とシネ撮像数は有意に増加した. Rim欠損≦1領域,BS<20,BS/体重<0.8の全てを満たす低リスク群79例中72例(91%)は1回の施行で留置しえた.【考察と結論】TEEでの十分なリスク評価や画像保存のもと, 低リスク症例では透視画像をシネ画像の代替とすることやフレームレートを下げることで被曝を低減しうる.高リスク症例においても必要十分なフレームレートの検証は重要である.閉鎖術が普及した現在,被曝低減の観点から画像保存のあり方は見直されてもよい.