[III-P6-3-12] 肺動脈狭窄部位、動脈管形態から考えるステント留置適応
Keywords:PDA, Stent, APS
【背景】新生児期に行う体肺動脈シャント(APS)には周術期死亡リスクがある.動脈管ステント留置(PDAS)は周術期死亡予防、入院期間短縮目的で本邦でも広まりつつある.【目的】肺動脈狭窄(PAS)の有無や部位、PDA形態から妥当なPDAS適応は何かを考察し、全症例PDASの方針に警鐘を鳴らす.【対象】2009 - 2021年に当院で肺循環維持のため姑息術を行った動脈管依存性先天性心疾患29例(APC28例、PDA stent 1例).月齢 (中央値, range) : 1, 0.3 - 12.新生児4例(14%)、月齢4未満26例(93%).【臨床経過】・肺動脈閉鎖心室中隔欠損12例、単心室7例、純型肺動脈閉鎖3例、修正大血管転位心室中隔欠損3例、ファロー四徴症2例、三尖弁閉鎖1例.・APSはすべてCPB使用.・術後ECMO使用なし.周術期死亡、inter-stage死亡なし.・PDASはMAPCAs合併例に対し戦略的に行った.・Reintervention:Surgical 4例、Catheter 11例.PDAS後のreinterventionなし.【PAS】PDA近傍PAS合併17例.APSと同時にPA形成術を12例に行った.【PDA type】屈曲が2カ所以上のsevere tortuous type 18例、屈曲が1カ所のmild tortuous type 9例、Straight type 2例.4mm以上の拡大部分があるもの3例.【考察】・生後1ヶ月前後の待機的APSの死亡率は極めて低い.・PDA近傍PAS合併例に対するPADSは不均衡PA血流を悪化させるリスクがある.Severe tortuous typeまたは4mm以上の拡張部分があるPDASは技術的にcontroversial.・純型肺動脈閉鎖ではPAS合併例が少なく、PDAがStraight typeであることも多いことから、PDASの良い適応と思われる.・PDAS長期開存は難しいとの報告がある.【結語】当院ではPAS、severe tortuous PDAを合併しない例のみPDASの適応とした.不均衡PAに対してAPSと同時に早期にPA形成術を行い、inter-stageにcatheter interventionを加え出来る限り正常血流へ近づけることがより重要である.