[III-P6-6-01] COVID-19ワクチン接種後心筋炎に心臓MRIを施行した小児3例
キーワード:COVID-19, 新型コロナウイルスワクチン接種後, 心筋炎
【緒言】COVID-19ワクチン接種後の心筋炎は比較的稀な副反応である。特徴は若年男性に多く、mRNAワクチン2回目接種後に発生率が高く、発症後数日で回復すると報告されている。
【症例1】15歳男児。BNT162b2(ファイザー社)の2回目接種3日後に胸部苦悶感が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇あり心筋炎の診断で入院。症状は自然軽快したが発症7日目に施行した心臓MRIで心基部中隔から下壁にかけての軽微なdyskinesisと心基部から中央部、側下壁、中隔下壁にT2強調black bloodでの高信号および遅延造影を認めた。T1 mappingでは中隔下壁の一部でT1値の延長を認めたが遅延造影部位と一致しなかった。発症42日目のフォローでの遅延造影の範囲は縮小したが造影効果を認め同部位のT1値の延長を認めた。
【症例2】14歳男児。BNT162b2の2回目接種2日後に胸痛が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇を認め心筋炎として入院。症状自然軽快し心筋逸脱酵素も改善、入院7日目に退院。退院後に施行した心臓MRIでは異常所見を認めなかった。
【症例3】15歳男児。BNT162b2の2回目接種2日後に胸痛が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇あり心筋炎と診断した。入院後は安静のみで自然軽快し発症6日目に退院した。退院直前に施行した心臓MRIでは下壁基部心外膜側に限局した遅延造影を認めた。
【結語】COVID-19ワクチン接種後心筋炎は速やかに軽快する予後良好な心筋炎と報告されている。しかし我々の経験した症例では急性期を超えても心臓MRIで異常所見を認めており、臨床症状が改善しても心筋への影響は残存している可能性がある。本当に予後良好な心筋炎であるのか疑念が残る。
【症例1】15歳男児。BNT162b2(ファイザー社)の2回目接種3日後に胸部苦悶感が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇あり心筋炎の診断で入院。症状は自然軽快したが発症7日目に施行した心臓MRIで心基部中隔から下壁にかけての軽微なdyskinesisと心基部から中央部、側下壁、中隔下壁にT2強調black bloodでの高信号および遅延造影を認めた。T1 mappingでは中隔下壁の一部でT1値の延長を認めたが遅延造影部位と一致しなかった。発症42日目のフォローでの遅延造影の範囲は縮小したが造影効果を認め同部位のT1値の延長を認めた。
【症例2】14歳男児。BNT162b2の2回目接種2日後に胸痛が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇を認め心筋炎として入院。症状自然軽快し心筋逸脱酵素も改善、入院7日目に退院。退院後に施行した心臓MRIでは異常所見を認めなかった。
【症例3】15歳男児。BNT162b2の2回目接種2日後に胸痛が出現。心筋逸脱酵素上昇、ST上昇あり心筋炎と診断した。入院後は安静のみで自然軽快し発症6日目に退院した。退院直前に施行した心臓MRIでは下壁基部心外膜側に限局した遅延造影を認めた。
【結語】COVID-19ワクチン接種後心筋炎は速やかに軽快する予後良好な心筋炎と報告されている。しかし我々の経験した症例では急性期を超えても心臓MRIで異常所見を認めており、臨床症状が改善しても心筋への影響は残存している可能性がある。本当に予後良好な心筋炎であるのか疑念が残る。