[III-P6-7-05] 先天性心疾患を合併したダウン症候群の腎機能の加齢変化の検討
キーワード:ACHD, ダウン症候群, eGFR
【緒言】ダウン症候群の腎機能は胎児期からの影響により健常児に比べ低値であることが知られている.先天性心疾患患者も同様に心内修復術を施行していても腎機能低下を認めると報告されている.また,ダウン症候群は加齢変化が早いことが知られているが腎機能に関しては報告が散見されるのみである.腎機能低下と心血管イベントの関係は以前より指摘されているが,一般成人よりも血圧が低い傾向がある成人期のダウン症候群では明らかではない.今回,先天性心疾患を合併したダウン症候群の腎機能について幼児期から成人期で検討した.
【方法】当院に通院歴のあるダウン症候群を抽出し,後方視的にeGFRを計測し解析した.対象はダウン症候群の3-18歳の小児44例,成人29例で,それぞれ年齢に応じてeGFRを算出した .
【結果】心疾患の有無では小児期と成人期ともにeGFRは有意差を認めなかった.eGFRは対象全体では年齢と負の相関を認めた(p<0.01).小児期のeGFRは加齢に伴い上昇傾向であったが相関はしなかった.成人期のeGFRは年齢と負の相関を認め(p<0.05 ),報告されている日本人の一般成人よりも若年からeGFRが低下していた.一方で加齢に伴うeGFRの低下速度は一般成人と比べ緩徐であった.またeGFRは体重と拡張期血圧,平均血圧と負の相関があった(p<0.05).【結論】ダウン症候群のeGFRは若年から低下するものの,一般成人と比べ血圧が低い傾向のため腎機能障害が進行しにくい可能性がある.
【方法】当院に通院歴のあるダウン症候群を抽出し,後方視的にeGFRを計測し解析した.対象はダウン症候群の3-18歳の小児44例,成人29例で,それぞれ年齢に応じてeGFRを算出した .
【結果】心疾患の有無では小児期と成人期ともにeGFRは有意差を認めなかった.eGFRは対象全体では年齢と負の相関を認めた(p<0.01).小児期のeGFRは加齢に伴い上昇傾向であったが相関はしなかった.成人期のeGFRは年齢と負の相関を認め(p<0.05 ),報告されている日本人の一般成人よりも若年からeGFRが低下していた.一方で加齢に伴うeGFRの低下速度は一般成人と比べ緩徐であった.またeGFRは体重と拡張期血圧,平均血圧と負の相関があった(p<0.05).【結論】ダウン症候群のeGFRは若年から低下するものの,一般成人と比べ血圧が低い傾向のため腎機能障害が進行しにくい可能性がある.