[III-YB09-04] 疾患レジストリを薬事申請につなげるためには:JCICレジストリにおける経験
Keywords:レジストリ, 薬事申請, 医療機器
日本先天性心疾患インターベンション学会(JCIC)は1993年から小児・先天性心疾患に対するカテーテル治療を実施する全国各施設へのアンケート調査を実施しており,それがNCDオンライン登録に発展しJCICレジストリとなった.5年間の準備期間を経て2016年から完全オンライン移行した,NCDの中でも最も早期の手術疾患レジストリの一つである.他のレジストリに類を見ない特徴として,登録対象が小児期から成人期にかけての先天性心疾患のみならず,川崎病心血管後遺症や,正常心構造を含む小児期頻拍性不整脈に対するアブレーションを含め,あらゆるカテーテル治療手技と有害事象を含めるという,一国家における包括的リアルワールドデータであることが挙げられる.治療成果および安全性のベンチマークの確立,学術利用(多施設共同研究),公的利用(安全性調査)を目的としているが,近年製造販売後調査に利活用し,産官学の連携を強化することで新規医療機器の早期導入が実現している.一方,機能的に進化し続ける本レジストリの確立には,入力項目の整備やシステム構築のみならず,倫理的配慮,データ入力の悉皆性と信頼性の確保など多くの高い壁を乗り越える必要があった.本講演において,レジストリ確立から維持,応用までの実際と方法論について共有したい.