[III-YB09-05] Remudy (Registry of Muscular Dystrophy)の立上げから医師主導治験、そして医薬品承認までの道程
Keywords:希少疾患, レジストリ, 医薬品開発
近年、国内外においてリアルワールドデータ/リアルワールドエビデンスの医薬品開発、製造販売後調査等への利活用が注目されている。リアルワールドデータには様々なものがあるが、その中でもレジストリの薬事制度下での利活用については、国内においてクリニカルイノベーションネットワーク(CIN)のもとで推進されてきた。治療開発から安全性監視活動まで、広くレジストリが活用されていくことが望まれている。Remudy(REgistry of MUscular DYstrophy)は、遺伝性神経筋疾患の臨床開発推進を目的に、国際的臨床研究ネットワークであるTREAT-NMDとの協調のもと2009年から開始された患者レジストリである。患者団体である日本筋ジストロフィー協会との密接な連携のもと、国立精神・神経医療研究センターに登録事務局を設置し、ジストロフィーノパチーから登録を開始、GNE ミオパチー、筋強直性ジストロフィー、先天性筋疾患のレジストリを運用している。これまでに、さまざまな疫学研究の実施、治験の実施可能性調査や患者リクルートへの貢献、患者への情報発信等を行ってきた。また、CIN推進も含めて新たに薬事制度下での利活用を見据えたレジストリを開始している。 デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおいては、近年医薬品開発が活発であり、2020年にはエクソン・スキップ治療薬であるビルトラルセンが条件付き早期承認制度のもとで薬事承認された。 本発表では、ビルトラルセンの薬事承認に至るまでの過程において、Remudyの立ち上げから医師主導治験、海外との開発、そして条件付き早期承認制度における製造販売後調査におけるレジストリ構築などの一連の活動を通して、希少疾患領域におけるリアルワールドデータを活用した医薬品開発の一例を提示する。