第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

委員会企画パネルディスカッション

委員会企画パネルディスカッション(I-CPD1)
本邦の小児心臓手術の現状と地域拠点化、次世代育成の方策

2023年7月6日(木) 13:30 〜 15:00 第1会場 (G3)

座長:山岸 正明(奈良県立医科大学), 座長:岩本 眞理(済生会横浜市東部病院総合小児科)

[I-CPD1-04] 小児心臓血管外科医生涯育成プログラム

中野 俊秀 (福岡市立こども病院 心臓血管外科)

キーワード:次世代育成, 育成プログラム, 小児心臓血管外科医

【背景と目的】先天性心疾患をもつ患者に対する安全で高度な外科治療を継続的に行うために、専門的な知識と技術を備えた小児心臓血管外科医の切れ目ない次世代育成を行うことで本邦の小児循環器領域の医療水準を維持、向上することは非常に重要である。しかしながらこれまでに本邦で確立した小児心臓血管外科医のための育成制度はなかった。これに鑑みこの度日本小児循環器学会では、効率よくまた確実に次世代の小児心臓血管外科医育成を行うことを目標に学会主導の若手心臓血管外科医の育成プログラムを作成した。【目標】1)小児心臓外科医を志す若手に自分の立ち位置の確認と目標を明確に与え、技術を客観的かつ公平に評価し、修練のモチベーションを保たせる。2)現在の施設で実現可能な努力目標としての「レベル認定制」を制定する。3)育成プログラムを制定することで各施設における若手育成の環境を整える。4)以上により次世代につながる優秀な小児心臓血管外科医を学会主導で育成する。【プログラム内容】プログラム内容を以下に示す。1.プログラム参加条件、2. 育成プリグラムの概要、3. 育成プログラム各項目「3-(1)各認定レベルの術式、3-(2)各レベルの手術実績スコア算出法、3-(3)各手術症例における育成指導医による総合評価、3-(4)手術のQualityの評価法、3-(5)手術ビデオ判定方法、3-(6) 育成指導者による評価、3-(7) 内科医による評価」、4.レベル認定の申請と認定基準、5.指導医が指導できる術式について、6.指導医による修練医に対する定期評価、7.修練医による指導者の逆評価、8.学会によるサポート体制、9.施設の責任者が自身のレベルアップを希望するときの対応について。以上の項目につき詳細を解説する。