[I-CSY02-01] 東北大学病院脳卒中・心臓病等総合支援センターの取組について
Keywords:脳卒中・循環器病対策基本法, モデル事業, 多職種連携
令和3年の⼈⼝動態統計では、⼼疾患と脳血管疾患はそれぞれ死亡原因の2位、4位であり、両者を合わせた死亡は35万人以上に及ぶ。また、脳卒中、心疾患ともに介護が必要となる原因として重要であり、さらに、循環器系の疾患が医療費全体に占める割合は約2割と最多である。このように、脳卒中と心疾患は、国⺠⽣活や健康に重⼤な影響を及ぼすとともに、社会全体に大きな影響を与える疾患である。こうした現状に鑑み、循環器病対策を総合的かつ計画的に推進することを⽬的とした脳卒中・循環器病対策基本法が成立し、各都道府県において推進計画が策定され、保健、医療福祉に係るサービスの提供体制の充実が図られている。東北⼤学病院では、モデル事業に選定された後、令和4年7⽉に東北⼤学病院脳卒中・⼼臓病等総合⽀援センターを開設し、患者を中⼼とした包括的な⽀援体制を構築するための取組を進めている。センターの活動状況は、センター長を委員長とした運営委員会で審議し、取組の改善を図ることとしている。また、医師・看護師・社会福祉士などの多職種で構成される実務者会議を月1回程度開催し、相談支援窓口の運用状況等を共有し、運営に係る課題について議論している。これまでの取組として、相談支援窓口の開設、窓口業務の広報を目的としたポスター・リーフレットの作成、地域住民への情報提供・啓発活動を目的としたセミナー・講演会の開催、心臓病患者の経験談等を内容とした動画の作成、外来待合室における心不全教育コンテンツの提供、医療従事者を対象とした講演会などを実施した。本シンポジウムでは、当センターの取組を紹介し、循環器病患者の包括的な支援体制の構築について議論したい。