[I-OR01-02] レベルII 胎児心臓超音波検査 全国オンライン登録について
キーワード:胎児心エコー, レベルII胎児心臓超音波検査登録, 日本胎児心臓病学会
【目的】学会が主体となって行っているレベルII胎児心臓超音波検査の多施設間オンライン登録を解析、報告する。【対象と方法】2004年10月1日より2022年12月31日に登録されたレベル(II)胎児心臓超音波検査110992件。登録の経年変化、各県の登録数、疾患分類や疾患別登録割合、NDBオープンデータとの比較等について解析した。【結果】経年的に登録は増加、2009年頃まで1500-2000件前後だったものが近年は14000件以上に登り(2022年は14358件)、疾患分類では先天性心疾患が42939件41%、正常が42054件39%、不整脈が5086件5%、心外異常10859件11%で経年的な傾向では先天性心疾患がやや減少していた。各県の登録数は、大都市圏の東京、大阪、神奈川、北海道が上位で17441、12000、10775、6180件であった。22週未満は、14402(13%)件であった。先天性心疾患の内訳では、VSD7716件、SRV2540件、SLV530件、DORV4828件、HLHS3203件、AVSD3402件で、四腔断面の異常を示すものが多いのが特徴であった。しかし、dTGA2373件(5.5%)、Simple CoA1500(3.4%)件、IAA703(1.6%)件と診断が難しいとされるものでは少なく、TAPVCは先天性心疾患うち566件(1.3%)であった。しかし、経年的にdTGA, CoA、TAPVC件数は増加傾向になってきた。NDBオープンデータとの件数の比較を行ったが、都道府県により差はさまざまで、レセプトとの較差が多い地域もみられた。【結語】胎児オンライン登録は認証医制度設立以降、著明に増加し、毎年1万件以上となっている。レベルII精査の質的維持を図るため、レベルII胎児登録数の維持、レセプトとの較差の是正、胎児心臓病スクリーニングの裾野を広げる等の努力を学会として行っていく。