[I-OR04-01] 房室結節リエントリー性頻拍の発症年齢による検討
キーワード:房室結節リエントリー性頻拍, カテーテルアブレーション, 発症年齢
【背景】房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)に対する高周波カーテルアブレーション(RFCA)は成功率や安全性が高くなり、小児から高齢者まで施行されているが、発症年齢による検討をした報告は少ない。【目的】AVNRTの発症年齢による経過、臨床的特徴を明らかにする。【対象と方法】RFCAを施行したAVNRT患者延べ126名を発症年齢が2層化した(A群)30歳未満と(B群)30歳以上に分け、後方視的に検討する。【結果】発症年齢は1~88歳で、(A群)32名、(B群)94名。発症平均年齢(A群)12.1歳、(B群)61.7歳。RFCA実施平均年齢(A群)31.1歳、(B群)66.3歳。発症からRFCA実施までの年月中央値は(A群)9年、(B群)2年。また(A群)4名(12.5%)、(B群)1名(1.1%)の計5名で動悸が精神疾患によるとされていた。RFCA成功率A群100%、B群95.7%。合併症は完全房室ブロックがB群3名(実施年齢66,68,82歳)(3.2%)。AVNRTの機序はA群:common 28(87.5%)、uncommon 3(9.4%)、両方1(3.1%)、B群:common 69(73.4%)、uncommon 20(21.3%)、両方5(5.3%)。併発不整脈はA群2(6.3%):concealed WPW 2、B群9(9.6%):concealed WPW 1, atrial flutter 4, atrial tachycardia 4。統計学的有意差は認めなかったがuncommon AVNRTの割合はA/B比約2倍であった。【まとめ】若年発症のAVNRTはRFCAの成功率も高く安全に治療しえた。非若年発症のAVNRTは若年者よりuncommon の割合が約2倍であった。完全房室ブロックは非若年発症でRFCA実施が60歳以上の患者で生じた。統計学的有意差を認めなかったが、今後もさらなる症例の蓄積と検討が必要と思われた。