[I-OR05-04] ハイブリッドアプローチで経心房的心房心内膜リード留置を行った左心低形成の1例
キーワード:ペーシング, 単心室, ハイブリッド
【背景】Fontan術後にペーシングリードを留置する場合、経静脈的には心腔内に到達できず、外科的に心外膜リードを留置することが多いが癒着や心外膜の線維化などで至適部位を確保することが困難な場合も多い。今回、Fontan術後小児患者に対して成人不整脈科と共同で経心房的心房心内膜リード留置を行ったので報告する。【症例】患児は9才男児。左心低形成に対してフォンタン術後であった。Restrictive ASDに対するステント留置、グレン手術後は心房頻拍に対するアブレーションを経てフォンタン手術時に心房内ペーシングリード留置の上、AAIモードでペーシング中であった。経過中にリード断線があり再留置を行った。正中創の尾側1/2の皮切で胸骨を部分開胸し右房を剥離した。右房壁にタバコ縫合をかけた上で穿刺し7Frソロトラックを挿入しメドトロニックスクリューインリードを挿入、右房や左心耳の留置は困難で左房後壁天井に留置した。スクリュー後のp波高は2.0mV, 閾値0.75Vでスリーブを横隔膜に固定して左上腹部のポケットに誘導しジェネレーターと接続した。術後はワーファリンによる抗凝固を継続した。【結果】術後1年7カ月現在リード閾値は0.5V、リード抵抗456Ωと良好で心房ペーシング93%で経過している。【結語】経静脈アプローチによる心内膜リード留置や心外膜リード留置が困難な症例に対して経心房心内膜アプローチは有用であった。