The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

デバイス治療

一般口演(I-OR05)
デバイス治療

Thu. Jul 6, 2023 2:20 PM - 3:10 PM 第6会場 (G301)

座長:鍋島 泰典(埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科), 座長:堀米 仁志(茨城県立こども病院 小児循環器科)

[I-OR05-05] 心外膜電極リードの中長期耐久性

安心院 千裕1,2, 芳本 潤1,2, 渋谷 茜1, 真田 和哉1, 石垣 瑞彦1, 佐藤 慶介1, 満下 紀恵1, 金 成海1, 新居 正基1, 田中 靖彦1 (1.静岡県立こども病院 循環器科, 2.静岡県立こども病院 不整脈内科)

Keywords:先天性心疾患, ペースメーカー, リード断裂

【背景】小児のペースメーカー植え込み(PMI)では、体格が小さいなどの理由で心外膜リードを選択することが多い。心外膜リードは経静脈リードに比べ耐久性が短いとされているが、これまでに小児患者や先天性心疾患患者に対する心外膜リードの長期的な耐久性についての報告は少ない。【目的】小児患者、先天性心疾患患者における心外膜リードの耐久性について明らかにする。【対象】1988年から2022年までに当院にてPMIを行った96例に対し用いられた観察期間中に挿入された電極リード262本。【方法】リード断裂・修復を要した損傷・ペーシング不全をエンドポイントとし、リード挿入日からエンドポイントまでの日数を単極・双極リードそれぞれで算出した。カプランマイヤー法で生存曲線を作成し, Log-rank testで比較した。【結果】原疾患は先天性心疾患(CHD)が83例(86.5%), それ以外(先天性完全房室ブロックなど)が13例(13.5%)であった。CHDでは多脾症候群が16例と最多であった。観察期間中に使用されたリードは、単極が117本、双極が14本で、観察期間の中央値はU群で49.8か月(0.3か月-27.4年), B群で94か月(0.2か月-27.5年)であった。植え込み時の年齢中央値はU群で52.5か月, B群で79.5か月であった。リード破損は53イベントで、単極45、双極8であった。Kaplan-Meier法の生存分析ではB群で有意に破損率が低かった(p<0.001)。5年無破損率はU群で74.3%, B群で96.9%であった。【考察】今回の検討で、心外膜リードでも双極誘導においては、経静脈リードに及ばずとも極めて高い耐久性を示すことが示唆された。双極誘導の心外膜リードは、経静脈リード挿入が可能となる体格までの橋渡しのみならず、さらなる長期的な使用も期待できる可能性がある。