[I-OR06-07] Family-centered careに基づく18トリソミー治療管理の予後
キーワード:18トリソミー, Family-centered care, 長期予後
【目的】18トリソミーの治療管理においてfamily-centered care(FCC)に基づき外科的介入の是非を個々に検討することを基本とする。FCCを背景とした治療方針のもと18トリソミー患者の長期予後を明らかにする。【方法】2007-2022年に入院した18トリソミー児に対してFCCに基づき心臓外科・消化器外科・耳鼻咽喉科の外科治療を実施した。生存率、在宅移行率および再入院率と、そのリスク因子をCox比例ハザード解析で算出した。【結果】対象は55例(女40例)。在胎期間37(27-43)週、出生体重1695(828-2522)g。全例に先天性心疾患合併(心室中隔欠損症N=32、両大血管右室起始症N=20、大動脈縮窄症・離断症N=4、その他N=2)がみられ、心臓外科手術は13例(肺動脈絞扼術N=10、体肺短絡術N=2、動脈管結紮術N=1)に施行し周術期死亡はなかった。食道閉鎖は14例に合併し、胃瘻造設N=14、食道吻合術N=3を実施した。肝芽腫3例、てんかん12例に合併した。観察期間131人年において、死亡N=44で、1年生存率47%、5年生存率5%であり、気管切開は生存率低下に寄与していた(HR0.21;95%信頼区間0.08-0.56;P=0.001)。在宅移行N=24で、累積在宅移行率6か月40%、12か月80%であり、食道閉鎖があると在宅移行のリスクとなった(HR11.1;95%信頼区間1.18-100.1;P=0.034)。再入院N=20(80%)であり、累積再入院回避率6か月41%、12か月23%であり、食道閉鎖あると再入院が多かった(HR:24.3;95%信頼区間1.47-401.8;P=0.026)。【考察】FCCを背景とした管理のもと、限られた生存率の中、心臓手術の介入は生存率。在宅移行率、再入院率に影響しなかった。一方、気管切開や食道閉鎖の有無は治療経過に大きく影響することが示唆された。