[I-OR07-04] ベッドサイドモニタ心電図を用いた心拍変動解析により早産児・正期産児の自律神経機能の特徴を明らかにする
Keywords:自律神経, 心拍変動解析, 新生児
【背景】心拍変動解析は自律神経機能を反映する有用な指標であり、新生児の領域での報告は本邦では少ない。我々は第58回の本学術集会でベッドサイドモニタ心電図を用いた心拍変動解析が可能であることを報告した。早産は発達障害のリスクとされ、また自律神経機能障害は発達障害と密接な関係があると報告されている。【目的】今回、NICU入院患児のベッドサイドモニタ心電図から心拍変動解析を行い、早産児と正期産児とでの自律神経機能に差異を認めるかを明らかにする。【方法】対象は当院NICUに入院した早産児:P群20例(出生週数30週6日-36週0日)、新生児一過性多呼吸(TTN):T群11例(出生週数37週2日-41週1日)。心電図データをベッドサイドモニタダイナスコープ8000シリーズ DS-8400システム(FUKUDA DENSHI, CO., LTD, Tokyo, Japan)から抽出し、HRV解析を行った。HRVの解析はMatLAB (MathWorks, Natick, MA, USA)上の独自のプログラムで解析した。時間領域解析はRR間隔の標準偏差であるSDNN(ms)を、非線形解析は幾何学的解析としてポアンカレプロット法でSD1及びSD2を算出した。【結果】P群は中央値9.5日間(5.8-16.3日)、T群は中央値4日間(3-5.5日)データを収集した。P群は修正在胎週数とSDNN、SD1、SD2で正の相関(ρ=0.410, P<0.001, ρ=0.349, P<0.001, ρ=0.307, P<0.001)を認めた。T群は日齢とSDNN、SD1、SD2で正の相関(ρ=0.585, P<0.001, ρ=0.392, P=0.010, ρ=0.471, P=0.002)を認めた。同日齢でP群よりもT群の指標が高値であった。【結論】早産児は正期産児より緩徐に自律神経が発達しており、早産児の発達障害の発生と関連している可能性を考えた。