The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

カテーテル

一般口演(I-OR10)
カテーテル治療1

Thu. Jul 6, 2023 11:20 AM - 12:20 PM 第7会場 (G314+315)

座長:小島 拓朗(埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓科), 座長:田中 敏克(兵庫県立こども病院 循環器内科)

[I-OR10-03] 動脈管依存性体循環維持のための動脈管ステント留置術の現状

桑原 直樹1, 山本 哲也1, 寺澤 厚志1, 田中 秀門1, 小倉 健2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔2, 桑原 尚志1 (1.岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児心臓外科)

Keywords:動脈管ステント, カテーテル治療, Hybrid治療

【はじめに】当院ではPDAの長期開存が困難な①心外合併症例、②Yasui手術待機など術式未決定のため大動脈修復が困難な症例に対して動脈管依存性体循環維持のため動脈管ステント留置術を施行している。【対象および方法】2010年以降体循環を動脈管に依存する先天性心疾患に対して動脈管にステント留置術を施行した12症例について、後方視的に検討し現状を報告する。【結果】男児4、女児8。診断はIAA9、MA+IAA1、CoA2であった。ステント留置日齢は15.3±14.3(3-42)日、体重2.5±0.6kg。全例Balloon-expandable stentを選択しdeviceはPALMAZ Genesis 11例、Omnilink Elite 1例であった。Hybridアプローチが10例(両側肺動脈絞扼術施行時9例)、FVアプローチが1例、FAアプローチが1例。留置理由(複数理由を含む)として、心外合併症7例(染色体異常1、奇形症候群1、気管狭窄1、NECおよびショック後2、体重2.0kg以下2)、術式未決定7例であった。PDA狭小化のため緊急実施症例が4例あった。全例ステント留置可能で留置時の合併症はなく、1例でステント移動あり2個留置を必要とした。ステント留置期間は6.4±3.4カ月であった。ステント狭窄部に対する再拡張を2例に実施したが、ステント留置中の重篤な合併症はなかった。死亡例は3例(TCPC術後遠隔死1、13トリソミー1、気管狭窄1)、生存9例で最終手術はVSD閉鎖+大動脈修復5、Yasui手術2(+待機1)、TCPC2、介入なしが2であった。【考察】ステント留置目的は個々の症例により異なるが、両側肺動脈絞扼術時に実施すれば比較的安全に留置可能である。保険適応外使用の問題はあるが、ステント留置中は安全に管理可能であり、目標手術到達や延命に有用な治療法と考える。