[I-OR10-05] 以前に留置したBare metal stentにSelf-expandable stentを重ねて留置し治療した2症例
Keywords:Self-expandable stent, Bare metal stent, 蛋白漏出性胃腸症
【緒言】Self-expandable stent(SES)は柔軟性に富み、長区域や屈曲病変に適している。我々は以前留置したBare metal stent(BMS)にSESを重ねて留置し治療した2症例を経験したので報告する。【症例1】9歳女児。診断は左側相同、両大血管右室起始、下大静脈欠損、半奇静脈接合。2歳3か月でTCPCを施行。3歳2か月、蛋白漏出性胃腸症(以下、PLE)を発症。8歳時の心臓カテーテル検査では半奇静脈6mmHgと低値であったが、半奇静脈から右肺動脈への屈曲が強く圧差も生じていたためBMSを留置した。9歳、PLEが増悪し心臓カテーテル検査では以前ステントを留置した半奇静脈-肺動脈吻合部で狭窄を認め、バルーン拡張術に加えてEpicTM Self-Expanding Nitinol Stent (12mm×4cm)を以前留置したBMSに重ねて右肺動脈まで留置した。半奇静脈圧は21→13mmHgと低下し状態は改善した。【症例2】17歳女児。診断はFallot四徴症、肺動脈閉鎖術後。左の肺動脈狭窄に対して13歳時にBMSを留置した。17歳、前回留置したステントの近位部に狭窄があり、BMSを留置した部分と径とは大きな差があった。BMSに重なるようにS.M.A.R.T®ステント(12mm×4cm)を展開した。その後BMSと重なった部分を大きく、残りを血管に合わせて後拡張を行った。治療後左肺動脈末梢の圧は上昇を認め治療は成功したと判断した。【結語】狭窄部の屈曲が強い、狭窄部が長く正常部分との口径差が大きい場合はself-expandable stentが治療選択肢となる。また以前留置されたBMSに重ねてステントでカバーされる距離を延ばすことも可能である。