[I-OR14-05] 川崎病冠動脈障害患者に対する13N-Ammnonia PETによる心筋血流解析
キーワード:川崎病冠動脈障害, 13N-Ammnonia PET, 心筋血流予備能
[はじめに]13N-Ammnonia PETは心筋血流SPECTと同様の虚血・梗塞の定性評価に加え、冠動脈枝ごとの心筋血流量(MBF)・心筋血流予備能(MFR=負荷時MBF/安静時MBF)を測定し、心筋血流の定量的評価を行うことが可能な検査である。心臓カテーテルによる冠血流予備量比(FFR)に比べ13N-Ammnonia PETは、低侵襲・低被曝に冠血流予備能をも評価することができる。川崎病冠動脈障害(CAL)患者13人に13N-Ammnonia PETを施行し、心筋血流解析結果を検討した。[対象] 2021年〜2023年に13N-Ammnonia PETを施行したCAL患者13人(男性12人、女性1人)。年齢中央値30歳、BMI中央値21、川崎病発症後の経過年数中央値20年。冠血行再建術施行は7人(うち心筋梗塞既往は6人)であった。[方法]13N-Ammnonia PETでの薬剤負荷はアデノシン140μg/kg/minを使用した。13人の各冠動脈 (RCA、LAD、LCX、合計39枝)を直近の冠動脈造影検査・冠動脈CTの結果をもとに、非有意狭窄性病変群 (Non-SL群) (<75%狭窄): 20枝、狭窄性病変群(SL群)(75%≦狭窄or閉塞): 8枝、冠血行再建術群: 11枝の3群に分類した。冠動脈枝ごとの安静時MBF、MFRを比較し、各患者における冠動脈3枝平均のMFR(total MFR)と左室収縮能(LVEF)の相関を検討した。[結果]安静時MBFは3群間で有意差はなかった。MFRはNon-SL群(2.8±0.7)、SL群(1.7±0.4)でSL群が有意に低かった(p=0.009)が、Non-SL群と冠血行再建群(2.3±1.1)、SL群と冠血行再建群で有意差はなかった。total MFRとLVEFには正の相関が見られた(相関係数=0.66、p=0.015)。[結論]13N-Ammnonia PETによるMFRは、CAL患者における枝ごとの冠血行再建適応の検討に有用である。Total MFRは、LVEFに関連することが示唆された。