[I-P01-1-06] 小児における特発性左脚後枝心室頻拍に対する高密度3Dマッピングの有効性
キーワード:特発性左脚後枝心室頻拍, 高密度3Dマッピング, HD Grid catheter
背景:特発性左脚後枝心室頻拍はリエントリー性頻拍で頻拍中のP1、P2電位を指標にアブレーションを行うがマッピング中にP1電位が記録できないことやmechanical bumpなどにより指摘通電部位を特定できないことがある。今回、4症例に対してEnSite NavX、HD Grid catheterによる高密度3Dマッピングを用いてEPS、カテーテルアブレーションを行い良好な結果が得られたので報告する。結果:症例は11-14歳、全例男児であった。EPS中に頻拍は誘発可能であり、右脚ブロック、左軸偏位であった。頻拍のマッピングは経中隔アプローチで頻拍中に左室マッピングを行った。4例中3例で頻拍中のP1、P2電位の記録が可能であったが、1例でP1電位の記録ができなかった。全例でまず経中隔アプローチによるアブレーションを行った。3例で頻拍中のP1電位を指標に通電を行い頻拍の停止に至った。P1電位の記録できなかった1例に関しては頻拍中にP2電位の記録できた部位を横断するように線状焼灼を行うanatomical approachで治療を行った。頻拍中の通電で頻拍の停止した3症例に関しては2例でanatomical approachでの線状焼灼を追加した。2例で大動脈からの逆行性アプローチを追加した。全例で急性期に頻拍は誘発不能となり、術後1-18か月の経過で再発はなかった。HD Grid catheterによる高密度3Dマッピングを用いることでP1, P2電位記録部位を正確に記録することができ、指摘通電部位の決定や線状焼灼を正確に行うことが可能であった。結語:HD Grid catheterによる高密度3Dマッピングは特発性左脚後枝心室頻拍の治療に重要な頻拍中のP1, P2電位の記録が比較的容易に可能であり、カテーテルアブレーションの成功率を向上させられると考えられる。