第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

染色体異常とその管理

ポスター発表(I-P01-2)
染色体異常とその管理1

2023年7月6日(木) 10:10 〜 11:00 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:内山 敬達(社会医療法人愛仁会高槻病院小児科)

[I-P01-2-01] 学童期以降まで生存した18トリソミー症例の検討

前田 潤, 土田 裕子, 西木 拓己, 矢内 俊, 妹尾 祥平, 山田 浩之, 小山 裕太郎, 永峯 宏樹, 大木 寛生, 三浦 大 (東京都立小児総合医療センター循環器科)

キーワード:18トリソミー, 長期生存, 先天性心疾患

【背景】18トリソミー(T18)は約80%以上に先天性心疾患(CHD)を合併し、1歳までに約90%が死亡する予後不良な染色体異常であるが、近年集学的治療が行われるようになり、長期生存する症例もまれではない。【目的】学童期以降まで生存したT18症例について後方視的に検討する。【対象と方法】2010年~2022年の間に当院で経過観察が行われたT18 75症例のうち、2022年12月の時点で6歳以上まで生存している5症例を対象とし、CHD、心外疾患、日常生活の活動度について検討した。【結果】年齢は6~16歳(中央値13歳)で、全例女性であった。心疾患の内訳は、心室中隔欠損(VSD)および体血圧と同程度の肺高血圧(PH)1例、VSD術後1例、VSD自然閉鎖1例、動脈管自然閉鎖2例で、心外疾患は、肝芽腫・イレウス(いずれも手術後)1例、食道裂孔ヘルニア1例、てんかん1例、水腎症1例であった。気管切開・人工呼吸器使用2例、酸素吸入2例、胃瘻1例が行われ、全例が経管栄養を行いながら在宅管理されていた。全例移動時に車椅子を必要と、5例中4例は特別支援学校に在籍し、通学またはオンライン参加していた。【考察】T18長期生存例はCHDによる血行動態異常がない症例が多く、心臓手術が生命予後を改善する可能性が示唆された。また退院後、全例が医療的ケアを必要としており、訪問診療、看護などの在宅サポートが不可欠であると考えられた。