[I-P01-2-02] 18/13 Trisomyに対する心臓手術:積極的心内修復術は有用である
Keywords:18 Trisomy, 13 Trisomy, Cardiac surgery
【はじめに】手術適応逸脱とされてきた重症染色体疾患(18/13Trisomy)の治療体系はSDM(shared-decision-making)の普及や社会背景の変化により近年変化している。積極的心内修復の有用性について報告する。【対象と手術】2009~2021.3月に18/13T児、22手術/15例(内:心内修復到達9)を経験し、2022.5月末時点で解析した。18T:22手術/13例(初回修復手術;2、姑息手術;11、二期手術;6)、13T:3手術/2例(初回姑息手術;2、二期手術;1)、心疾患:VSD11、TOF(非チアノーゼ型)2、TOF1、HLHS亜型1であった。手術適応:医学的適応+SDMに基づく社会的・家族的適応を考慮した。手術:初期姑息術:PAB 12, BT短絡1、心内修復:9(一期的2,二期的7(VSD 6, TOF 1))、手術時月齢:姑息術:~1m ;9, 1m~1y;6, 1y~;1、修復術:~1y:2、1~2y:3、3~5y:3、5y~:1、体重:初期姑息術例:1.3~5.8kg(<2.0kg 7, <1.5kg 2)、心内修復術例:2.4~14.0kgであった。修復術非到達は6例であった。【結果】急性期:全例耐術(姑息術・修復術共)、入院死2(HLHS亜型;低酸素血症,VSD(PAB不応、肺生検でACD/PVM 判明))、術後気管切開4、多くが自宅退院可能となった。遠隔期:修復術後:遠隔死1(イレウス)、生存8例の観察期間2y11m~9y7m(訪問学級5)BW:8.5~20.9kg、修復術非到達例:遠隔死5(肝芽腫2、イレウス1、誤嚥1、原因不明1)などであった。【考察】18/13Tの心疾患への対応は近年のガイドラインやSDMの普及などにより変化しているが議論は多い。バイアスはあるが、修復術により患児の状態は改善・安定し、生命予後の延長、在宅医療への移行など家族の生活面・精神面も含むQOL向上も得られた。【まとめ】家族、多職種医療者などを包括するSDMに基づく積極的心内修復術は有用である。