The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

染色体異常とその管理

ポスター発表(I-P01-2)
染色体異常とその管理1

Thu. Jul 6, 2023 10:10 AM - 11:00 AM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:内山 敬達(社会医療法人愛仁会高槻病院小児科)

[I-P01-2-07] 心臓術後管理に難渋した2q37微小欠失症候群の一例

佐々木 花恵, 小渡 亮介, 大徳 和之, 熊江 優, 皆川 正仁 (弘前大学大学院 医学研究科 胸部心臓血管外科学講座)

Keywords:2q37微小欠失症候群, 染色体異常, 高ビリルビン血症

症例は8か月男児で2q37微小欠失症候群、ASD、VSD、PDAである。在胎39週、2902gで出生、Ap 6/8であった。気管軟化症、胸郭低形成があり、月齢3に気管切開術が行われた。心不全が増悪し頻回なSpO2低下、徐脈発作があり、月齢8に心内修復を行った。PDAを結紮し、VSDはePTFEパッチで閉鎖した。三尖弁はEbstein様で中隔尖が心室壁に固着していたため、中隔尖を中隔から剥離し、前尖-中隔尖交連にKey sutureをかけて形成した。肺動脈弁下の異常筋束を切除後、ASDは直接縫合閉鎖し大動脈遮断を解除した。人工心肺からの離脱に時間を要した。手術時間は6時間42分、人工心肺時間は233分、心停止時間は109分であった。術後3日目にJETが出現し、術後4日目に循環破綻してVA-ECMOを導入した。この頃から徐々にビリルビンの上昇を認めた。アミオダロン等の内科的治療後、循環動態が改善したため術後13日目にECMOを離脱した。ECMO離脱後3日目に閉胸したが再度循環破綻し、その後も何度か閉胸したが、循環破綻して再開胸を繰り返した。術後2か月で通常の閉胸を断念し、フィクソーブメッシュで胸郭形成、閉鎖しきれなかった皮膚を心膜パッチで補填した。この頃総ビリルビンが 52.1mg/dLに達したが、その後減少した。術後2か月半でCHDFを離脱、術後3か月でICUを退室、小児科へ転科し、術後1年現在状態は安定している。2q37微小欠失症候群に対する心内修復の報告は少なく、慎重に手術適応を判断する必要がある。