[I-P01-3-01] 埼玉県立小児医療センター循環器科 移行期医療の現状
キーワード:移行期医療, 支援センター, 患者の教育
【背景・目的】医療技術の進歩に伴い、移行期医療の重要性が指摘されている。当センターでは、移行期医療支援センターの設置などで移行期医療に取り組んでいる。当センターにおける移行期医療の現状・問題点について報告する。【方法】当センター循環器科における2017年度以降の初診・再診の受診者数、18歳以上の受診者数(実数)から、移行期医療の実態・今後の展望について検討した。【結果】移転後(2017年以降)、外来の初診は500-600人/年(胎児診断などの直接入院含めると700-800/年)、再診は3500人前後(延べ 8500人前後)であった。一方、18歳以上の再診患者は、年間300人前後(延べで700-800人前後)であった。18歳以上の再診患者の割合は2017年度は10.9%であったが、最初の2年間でその割合が減少し、2019年度以降は8%前後で推移している。これは、隣接したさいたま赤十字病院へ移行しやすい環境ができたこと、移行を希望されている患者・移行しやすい患者が、最初の2年間で移転したためと考えられる。【考案】移行期医療に必要なことは、移行先施設の充実とともに、紹介する側の体制(患者の教育・家族の教育・支援センター設置など)が重要である。今後、心疾患以外の問題がある患者・様々なdeviceが必要な患者・より重篤な状態の患者の移行が増加することが予想され、それらの患者の移行支援も重要である。成人先天性心疾患センター設置などで、移行期医療を充実させることが必要である。