[I-P02-2-02] 13,18トリソミーの合併する心疾患治療の現状
Keywords:13トリソミー, 18トリソミー, 外科治療
【背景】13,18トリソミーでは高率に先天性心疾患(CHD)を合併する。1990年代以前は1年生存率が10%前後と予後不良であることやCHD以外が死因となることが多いことから積極的な手術介入は一般的ではなかった。最近10年ほどで外科治療が高肺血流性心不全による呼吸障害を改善させ自宅退院を可能としたり、生命予後を改善するという国内外の報告が散見される。当院でも手術が全身状態の改善に寄与すると判断された場合に家族との合意のもとに手術を行っている。【目的】外科手術が13,18トリソミーにおいて予後を改善させるかを検討する。【方法】2010年から2022年に当院のNICUで心内修復術か姑息術を行った13,18トリソミー9例を対象とし、CHDの内訳、在宅移行率、退院時の呼吸管理、予後を診療録から後方視的に検討した。【結果】13トリソミーが1例、18トリソミーが8例であった。内訳は心室中隔欠損4名、大動脈縮窄複合1名、両大血管右室起始が4名、他臓器合併は食道閉鎖2例、臍帯ヘルニア1例であった。術前の呼吸管理は人工呼吸管理が4例、非侵襲的管理が5例であった。姑息術が7例、姑息術ののちに心内修復術を施行した児が2例であった。術後48時間以内の死亡は1例で術後不整脈による循環不全、1例は術後4か月で感染症のため院内死した。7例が自宅退院しており、退院時の呼吸管理は気管切開が2例、非侵襲的換気が1例、在宅酸素が1例、室内気管理が3例であった。【考察】手術可能な児では全身状態が良い症例が多いという指摘や心外合併症も考慮する必要があるが、外科的治療が生存率や在宅移行性を高める可能性が示唆された。また、手術のための挿管管理から離脱できない可能性もあるが、当院では6例が抜管可能で短期の挿管であれば呼吸状態を悪化させなかったといえる。【結語】外科的治療のメリットについて個々の症例に合わせて考察し、両親の希望に少しでも沿えるよう治療を行うことが大切と考える。