[I-P02-2-03] トリソミー13・トリソミー18に対するよりよい介入は何か?
キーワード:トリソミー13・18, 在宅医療, 家族ケア
【背景】トリソミー13(T13)・トリソミー18(T18)は生命予後不良の染色体異常として広く認知されているが、近年は内科的管理の進歩、外科的介入の増加により、生存期間の長い症例がしばしば見受けられる。我々は家族の受け入れ・器質的疾患に対する介入の必要性を勘案し、在宅医療に移行する目的で内科的・外科的治療を行う方針としているが、介入に対する考え方は医療関係者・施設により大きく異なり、家族の思いも様々である。【目的】T13・T18に対するよりよい介入を検討すること。【対象と方法】2016年11月から2022年3月にT13・T18と診断し当院NICUで治療方針について家族と話し合った13例(T13:5例、T18:8例)を対象とし、診療録より後方視的に臨床経過を検討するとともに、家族へのアンケートを実施した。なお、手術目的で他院より転院となった症例は除外した。【結果】心疾患は二心室修復対象(BVR)症例11例、単心室修復対象(UVR)症例2例。うち大動脈弓低形成・縮窄・離断症例5例(BVR4例、UVR1例)。その他外科的疾患は口唇口蓋裂6例、臍帯ヘルニア1例、鼠径ヘルニア2例。心疾患に対する手術は肺動脈絞扼術5例(うち2例は二期的に心内修復術施行)、両側肺動脈絞扼術4例(動脈管ステント留置1例、自然開存3例)。初回退院時に気管切開4例、その他の呼吸デバイス装着4例、胃瘻造設2例、在宅経静脈栄養1例(壊死性腸炎による短腸症候群)。生存期間の中央値は、心臓外科手術実施例1.89(0.24〜4.80)年、非実施例1.26(0.13〜3.29)年。死亡例は7例で死因は心不全4例、感染1例、肺出血1例、肝芽腫1例。【考察】生存期間が長いことが善ではなく、命の終わりが遠からず来ることを分かっていても、少しでも穏やかに、家族の一員として貴重な時間を過ごせることが、本人・家族にとって大切である。予後不良とされるT13・T18症例に対するよりよい介入について家族へのアンケート結果とともに議論したい。