第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

染色体異常とその管理2

ポスター発表(I-P02-2)
染色体異常とその管理2

2023年7月6日(木) 11:10 〜 12:00 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:土橋 隆俊(川崎市立川崎病院)

[I-P02-2-06] 当院におけるTrisomy 18/13診療の現況と予後

大木 寛生, 西木 拓巳, 土田 裕子, 妹尾 祥平, 矢内 俊, 山田 浩之, 小山 裕太郎, 永峯 宏樹, 前田 潤, 三浦 大 (東京都立小児総合医療センター 循環器科)

キーワード:Trisomy 18, Trisomy 13, 心臓手術

【背景】Trisomy(T)18/13は画一的致死疾患ではなく心臓手術による予後改善が報告されるようになった.【目的】当院のT18/13診療の現況と予後を調査.【方法】2010年以降診療T18/13患者の診療録を後方視的調査.【結果】T18/13で表示.症例84/31,月齢25(0-200)/60(0-325),男20/13,早期産19/14,出生体重(超-極-低-正常)6-15-57-13/1-2-20-4,心疾患(無-心室中隔欠損・心房中隔欠損・動脈管開存-房室中隔欠損-大動脈縮窄複合-Fallot四徴症類縁疾患-肺動脈閉鎖-左心低形成症候群類縁疾患-両大血管右室起始・左室低形成-弁膜症-修正大血管転位)0-58-2-7-6-0-5-4-2-0/4-9-0-2-3-3-3-4-2-1,合併症(小脳低形成14/0,全前脳包症1/3,髄膜瘤3/0,癲癇22/15,無呼吸24/8,口唇口蓋裂8/15,気管気管支軟化症9/6,上気道狭窄6/8,食道閉鎖(EA)15/0,臍帯ヘルニア(Om)1/4,腸回転異常2/8,肝芽腫5/0,拡張型心筋症0/3),心疾患治療(内科的(M)-姑息術(P)-根治術(C))72-9(肺動脈絞扼術8,BT短絡術(BT)1)-3(心室中隔欠損閉鎖術2,Fallot四徴症修復術1)/28-3(BT3)-0,気管切開術15/8,胃瘻造設術9/2,予後(生存-打ち切り-死亡)19-6-59/8-1-22,死因(無呼吸-呼吸不全-痙攣-突然死-心不全-カテ治療-乳糜腹水-腎不全-イレウス-胃腸炎)18-21-2-3-11-0-1-0-3-0/3-4-1-2-5-1-0-1-4-1.Kaplan-Meier(1-5-10年生存率%):M33-15-11/64-46-37,P86-36-36/100-35-0,C100-100-100/ - - (Log Rank,p=0.004/0.866).危険因子(ハザード比):T18でEA0.331,Om0.012(Cox,p=0.001,0.012).【結語】T18では単純心疾患に対してPよりCでより予後改善を認めた.T13では複雑心疾患に対してPのみで予後改善には至らなかった.合併症・死因は多彩で心臓手術だけで全て解決するわけではなく恩恵を享受できる好条件の患者を見極めなければならない.気道・消化管への介入頻度も高く全体像を患者家族と共有し今後も個々の最善を模索していく必要がある.