[I-P02-2-08] 当院におけるCHD合併の18トリソミー児の心臓姑息術と在宅移行の現状
Keywords:18トリソミー, 在宅移行, 手術介入
【背景】18トリソミー児に先天性心疾患(CHD)は好発に合併し、明確な治療方針は現時点で決まっていない。当院は在宅移行にあたり心臓外科介入が必要であり、両親の介入希望がある場合のみ姑息手術を行う方針としている。この条件での心臓姑息術の有用性を評価する。【方法】2010年1月1日〜2023年1月31日に当科で診察した18トリソミー児を対象として、心臓姑息術の有無と在宅移行の状況を後方視的に検討した。外科介入群(I群)と非介入群(N群)に分けて2群間で比較した。【結果】対象患者は36例(男11例)、I群8例、N群28例。合併心疾患は心室中隔欠損症19例、両大血管右室起始症9例、両大血管右室起始症・左室低形成4例、僧帽弁閉鎖症2例、動脈管開存症1例、心室中隔欠損症・大動脈弓低形1例であった。在宅移行例はI群で6例(75%)、N群で18例(64%)、退院日齢はI群中央値98日(56-201日)、N群92日(3-263日)であった(p=0.90)。生存日数(2023年1月31日時点)はI群387日(130-3290日)、N群200日(0-2682日)であった(p=0.44)。在宅期間(生存日数-退院日齢: 退前死亡は0日)はI群267日(0-3089日)、N群72日(0-2682日)であった(p=0.47)。【考察・結論】CHD合併の18トリソミー児に対して在宅移行を目的とした姑息的心臓手術を行った場合と非介入の場合を比較して、退院日齢や生存日数、在宅期間に優位な差は認められなかった。これは、必要な外科介入を行う事で在宅移行を行うことができ、外科介入が必要とならなかった児と同程度に、児と家族が一緒に過ごす期間を作る事ができることを示唆している。