[I-P02-5-03] 開業産科医院で出生するVSD児の実態
キーワード:開業産科医院, 新生児, 心室中隔欠損
§はじめに開業産科医院において、出生児の先天性心疾患を早期に診断できることは少なく、その後の経過についても不明なことが多い。今回、心室中隔欠損(VSD)に着目し、開業産科医院出生児に合併するVSDの型別割合、長期予後について検討したので報告する。§方法2007年12月から2022年12月までの15年間に単一開業産科医院で出生したVSD症例56例を対象とした。2019年2月まで(前期)は心雑音等でVSDを疑った症例に対して、2019年3月以降(後期)は全例に対して、産科エコーで心エコースクリーニングを行い、VSDと診断した症例について当科でフォローした。VSD型別の自然閉鎖率をKaplan-Meier法により検討した。また前期と後期のVSD型別の割合の変化についても検討した。§結果VSD I型3例は自然閉鎖せず、いずれも外科的閉鎖を必要とした。II型17例は2年半までに52%が自然閉鎖していた。IV型36例は最も自然閉鎖率が高く、7歳6か月までに96%が自然閉鎖していた。前期はI型7.3%、II型34.1%、IV型58.5%、後期はI型0.0%、II型20.0%、IV型80.0%であった。§考察従来から言われている通り、IV型の大部分は自然閉鎖していた。前期・後期でのVSD型別比率の変化、IV型の自然閉鎖率の高さから考えて、見落とされているIV型症例が多い可能性が示唆された。