第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスター発表(I-P02-5)
学校保健・疫学・心血管危険因子

2023年7月6日(木) 11:10 〜 12:10 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:内田 敬子(慶應義塾大学保健管理センター)

[I-P02-5-07] よりよい学校救急体制構築をめざした児童・生徒・教職員に対する意識調査

木下 輝来1, 檜垣 高史2,3, 柏木 孝介3, 河本 淳3, 田代 良2,3, 宮田 豊寿2,3, 渡部 竜介3, 千阪 俊行3, 太田 雅明3, 高田 秀実3, 赤澤 祐介2,4 (1.愛媛大学 医学部 医学科, 2.愛媛大学大学院医学系研究科 地域小児・周産期学講座, 3.愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学講座, 4.愛媛大学大学院医学系研究科 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座)

キーワード:学校救急, 突然死, スクリーニング

【背景】学校現場において児童・生徒を突然死から守るためには、①学校心臓病検診の精度の向上と②AEDの有効配置による学校救急体制の整備③事故を想定した学校救急シミュレーションによるチームによる連携トレーニング④教職員の意識向上⑤児童・生徒への蘇生教育が重要である。【目的】より良い学校心臓病検診や学校救急シミュレーションのあり方を検討すること。【対象と方法】①A町のすべての中学校1年生に対して、心臓超音波検査によるスクリーニングの後にアンケート調査を実施した。②T小学校の児童に学校救急に関するアンケートを行なった。小学1年生は挙手で回答してもらうなど工夫した。救急シミュレーションを行い、授業の前後に教職員の意識調査を行なった。【結果および考察】「心肺蘇生について詳しく勉強したいか?」に対して、児童・生徒は高い割合で「はい」と答えた。「もし習うなら、何年生がいいか?」は、小学校4-6年生に習いたいが多くを占めた。「ヒトが倒れた時に心肺蘇生を行うか」は74-88%が行うと答えたが、行わない理由は、失敗した時が怖い、やり方がわからないが多かった。子どもが第一発見者になる確率が極めて高く、心肺蘇生の知識や技術を学習できる必要がある。教員に対してのアンケートでは、メンテナンスは養護教諭が1人で行っていることなどが判明した。心臓超音波検査を受けたほとんどの生徒は、「受けてよかった」と回答しており、74%が「心臓についてもっと詳しく勉強したい」と答えた。心疾患が見つかった場合の相談相手は、9割が「保護者」と回答したが、「誰にも相談しない」「ネット上に匿名で質問する」という回答も見られ、疾患が発見された生徒に対しては、精神面においても相談しやすい、子どもに寄り添える環境を整備することが重要であることも示唆された。【結論】調査結果をもとに、よりよい学校救急体制を構築していきたい。