第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

集中治療

ポスター発表(I-P03-1)
集中治療1

2023年7月6日(木) 13:30 〜 14:20 ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:沼野 藤人(新潟大学医歯学総合病院 小児科)

[I-P03-1-02] 気管切開術後の小児心臓手術

秋山 章, 原田 大暉, 山本 裕介, 野間 美緒, 吉村 幸浩 (東京都立小児総合医療センター)

キーワード:気管切開術後, 小児, 心臓手術

【背景・目的】気管切開(気切)術後に胸骨正中切開による心臓手術を施行する頻度は少ないが、気切に至る気道病変や気切の存在自体が心疾患治療やその経過に影響を及ぼす場合がある。そこで気切後の胸骨正中切開例の臨床的特徴や周術期管理等を評価する事を目的とした。【方法】2010年から2022年の間に胸骨正中切開で心臓手術を施行した気切術後の患児14例(延べ18回の手術)を対象とし、診療録を後方視的に調査した。【結果】主診断はVSD3例、TOF3例、ASD2例、cAVSD2例、CoA/IAA+VSD2例、uAVSD(SV)2例、HLHS1例で、CHARGE症候群4例、VACTERL連合2例、21-trisomy1例の合併を認めた。気切に至った気道病変は、喉頭軟化症4例、気管軟化症3例、喉頭機能不全2例、気管狭窄2例、下顎低形成2例、呼吸筋低下2例で、気切術は生後0日-11か月(中央値3か月)に行われた(喉頭気管分離1例)。心臓手術の内訳は、VSD閉鎖3例、ASD閉鎖2例、TOF修復2例、cAVSD修復2例(内1例は左室流出路狭窄解除術を2回追加施行)、Rastelli手術と導管置換術(TOF 同一症例)、BDGと開窓付TCPC(SV 同一症例)、IAA+VSD修復、肺動脈形成術(気管形成術併施)、Norwood手術がそれぞれ1例であった。手術時年齢は3か月-8歳4か月(中央値 1歳4か月)、体重3.7kg-17.0kg(中央値 7.5kg)で-3SD以下が72%であった。手術数日前からクロルヘキシジン浴を行い、術中は経口挿管への移行を基本としたが、喉頭気管分離術後例と下顎低形成例は気切孔挿管とした。胸骨切開は第2肋間でのT字切開を1例で行い、他は全切開し胸骨上端側の剥離は最小限とした。手術死亡は1例で、Norwood手術後にLOSで失った。縦郭炎の合併も1例に認めたが、5回目(気切後3回目)の胸骨正中切開例であった。【まとめ】染色体異常又は症候群の合併を半数に認め、低体重症例が多かった。縦郭炎回避の為の処置や工夫を行ったが1例に発症した。