The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

電気生理学・不整脈

ポスター発表(I-P03-2)
電気生理学・不整脈1

Thu. Jul 6, 2023 1:30 PM - 2:30 PM ポスター会場 (ポスター展示会場)

座長:鈴木 嗣敏(大阪市立総合医療センター)

[I-P03-2-04] 心室期外収縮におけるNT-proBNP測定の有用性

中川 亮, 佐藤 一寿, 吉田 葉子, 鈴木 嗣敏, 中村 好秀 (大阪市立総合医療センター 小児不整脈科)

Keywords:心室期外収縮, 心機能, NT-proBNP

【背景】心室期外収縮(PVC)は一般的に予後良好な不整脈であるがburdenの多い症例で心機能低下のリスクがあることが知られている.NT-proBNPは心不全の診断に用いられるがPVCにおけるNT-proBNP測定の有用性に関する報告は少ない.今回,PVC burdenとNT-proBNPは相関するという仮説をたて研究を行った.【目的】PVC burdenとNT-proBNPの関連を明らかにすること.【対象と方法】診療録を後方視的に検討した.2008年4月から2022年12月に当院でNT-proBNPを測定し,その6か月以内のホルター心電図が施行されている症例を対象とした.NT-proBNP測定が複数回ある症例ではそれぞれを解析した.アブレーションの既往,先天性心疾患/心筋症,奇形症候群を含む全身性疾患,WPWおよび頻脈性不整脈,急性期管理中の症例は除外した.また,6か月以内に複数回施行されたホルター心電図でPVC burdenが10%以上変動する症例を除外し,PVC6連発以上の症例も除外した.PVC burdenとNT-proBNP値の関連を解析し,慢性心不全のスクリーニングに用いられるNT-proBNP 125pg/mL以上を高値としてPVC burdenのカットオフ値を算出した.【結果】126例149回のNT-proBNP測定を解析した.患者年齢の中央値は12(3-22)歳で男性が49例(38.9%)であった.PVC burdenは中央値 19.2(0.003-54.6)%であり,NT-proBNPは中央値54(5-819)pg/mLであった.NT-proBNPが125pg/mL以上と測定されたのは29回(19.5%)であった.PVC burdenとNT-proBNPは相関を認め(r=0.4803, p<0.0001), NT-proBNP 125pg/mL以上となるPVC burdenのROC曲線ではカットオフ値は17.2%(感度93.1%, 特異度50.8%)であった(AUC=0.7675,p<0.001). 【結論】PVC burdenとNT-proBNPは相関があり, PVCによる心機能低下を反映している可能性が示唆された.