[I-P03-2-05] 新生児期に診断し、循環の破綻なく生後半年でCRT-Pに到達した完全左脚ブロックの1例
Keywords:Congenital CLBBB, CRT-P, Reverse Remodeling
【背景】完全左脚ブロック(CLBBB)は先天性心疾患術後の他、拡張型心筋症などに合併する事や予後不良因子であることは知られるが、先天性完全左脚ブロック(cCLBBB)に関する報告は稀である。無治療であれば慢性心不全や二次性心筋症をきたし得るとされるが、自然歴や適切な治療介入次期や予後には不明な点も多い。今回新生児期に診断し、心不全治療をしつつ、生後半年でCRT-Pを施行したcCLBBBの1例を経験したので報告する。【症例】在胎36週3日、2704gで出生後低血糖のためNICUに入院した日齢0の女児。入院時UCGでLVはEF40%でShuffle motionを示し、ECGでCLBBBを認めたため小児循環器科医にコンサルトされた。聴診でⅢ音を認め、CTR53%、Trpn-I23.7pg/mL、CKMB4.6U/L、NTproBNP2412pg/mL、母体SS-A/B抗体は陰性。家族歴に心疾患や突然死なく、胎児期の心筋炎などの可能性を考えた。全身状態は良好で自律哺乳確立し、EF64%、NTproBNP2412pg/mLと検査データも改善傾向であったため、日齢15に自宅退院。日齢33 外来受診時にCTR58%、肺うっ血+、NTproBNP815 pg/mLと再度心不全の進行あり入院。Mil0.25γ、利尿剤IVを開始して翌日にA小児病院へ転院となった。慢性心不全治療でACE-I、利尿剤内服を行い日齢75に自宅退院。その後2nd OpinionでB循環器病センター受診し、日齢190にCRT-Pを行った。3DLVEF21→38%とResponderであり、術後BNP16.6pg/dLまで改善しPOD38に自宅退院し、現在外来経過観察中である。【考察】小児でもSurgical CLBBBも含め、CLBBBにCRT-Pを行い、非同期を解消することで、心機能の回復のみでなく、Reverse remodelingも期待されることが報告されている。本症例は生直後からの経過のみならず、心不全治療を早期に進めたが心機能は低下し、CRT施行後に心機能は改善した。CLBBBはCRBBBと違い、早期に心機能低下をもたらすことがあるため、心形態異常を伴わなくとも慎重に経過観察すべきである。