[I-P03-4-01] Fontan 術後の運動耐容能と術前洞機能
キーワード:フォンタン術後, 洞機能, 運動対応能
【目的】Fontan術後患者において運動耐容能は予後規定因子である。最大酸素摂取量は肺駆動心室欠如のため一回心拍出量に限界があり心拍数増加に依存するが、Fontan術前にそれらを予見する因子がないか電気生理学的観点から検討した。【方法】Fontan術施行例(N=189)のうち、Fontan術後に心肺運動負荷試験(CPX)を実施した症例に関して、Fontan術前の電気生理学的検査で心房-His束伝導(AH)時間、His束-心室伝導(HV)時間、洞結節回復時間(SNRT, CSNRT)、運動耐容能指標(最大酸素摂取量、酸素脈、心拍予備能)との関連を検討した。【結果】対象は97例。CPX時年齢12.8歳(9.2-22.2)、Fontan術後12.3年(5.5-18.0)、最大酸素摂取量28.1ml/min/kg(11.1-63.5)、最大酸素脈6.3 ml/beat(2.6-25.4)、心拍予備能63bpm(13-131)であった。Fontan術前において、心拍数106(66-140)bpm、AH時間78(45-136)msec、HV時間 36(22-190)msec、SNRT 680(535-1670)msec、CSNRT 120(-46-790)であった。最大酸素脈に関してFontan術前のSNRT, CSNRTと正相関がみられたが(R=0.600, p<0.001. R=0.658, p <0.001)、最大酸素摂取量と心拍予備能は電気生理学的指標と関連はなかった。【結論】Fontan術前の洞機能低下を代償すべく一回心拍出量が増加している可能性が示唆された。しかし運動耐容能や心拍予備能はFontan 術前の洞機能に依存せず、他の要因が影響していると考えた。