[I-P04-1-07] 早産児動脈管開存症に対する外科治療前後の3次元エコー検査による両心室機能評価
キーワード:心臓超音波検査, 新生児, 動脈管
【目的】早産児PDAの外科治療前後で、3D心エコー検査による両心室機能の変化を検討した。【方法】2017-2022年に早産児PDAの外科治療を施行した早産児41名[在胎:中央値25週(四分位24-28週)、出生体重:745 g(592-940 g)] を対象とした。術前、術後4-8、24-48時間にPhillips社EPIC 7GもしくはCvXを用いてframe rate: 40/分 以上で記録した3次元心エコー検査動画からトムテック画像解析システムを用いて左室(LV)と右室(RV)の拡張期容積(EDV)、駆出率(EF)、拍出量(CO)、長軸方向ストレイン(GLS)を計測した。対照としてPDAのない日齢14の早産児36名[在胎:中央値26.5週(四分位25-28週)、出生体重:849 g(692-1045 g)]と比較した。【結果】PDAのない対照と術前の平均値比較はLVEDV 2.3, 3.8 ml/kg, LVEF 44, 51 %, LVCO 159,308 ml/kg/min, LVGLS -15, -21 %, RVEDV 1.9, 2.8 ml/kg, RVEF 52, 47 %, RVCO 182,201 ml/kg/minであった。対照に比して、術前のPDAは両心室のEDVとCO,LVEF,LVGLSが高値、RVEFが低値であった(p<0.05)。術前,術後4-8時間,術後24-48時間は、LVEDV 3.8, 2.4, 2.9 (ml/kg) , LVEF 51, 38, 40 (%), LVGLS -21, -12, -15 (%) , LVCO 307,131,166 (ml/kg/分) ,RVEDV 2.8, 2.2, 2.5 (ml/kg) , RVEF 47, 44, 49 (%), RVCO 201,140,178 (ml/kg/分)であり、RVEE以外の全ての指標で経時的変化を認めた(p<0.05)。【結論】PDAのない早産児と比して、PDA手術を必要とした早産児では両心室の容積と拍出量が増加し、LVEF上昇、RVEF低下を認めた。PDAに対する手術4-8時間後に両心室の容積の正常化、EFの低下と拍出量減少を認めた。術後24-48時間、右室機能は回復したが、左室はEFの低下したままで容積が再拡大し心拍出量が正常化した。3D心エコー検査を用いて早産児PDAの外科治療後に左右心室の容積と収縮能の変化を定量的に評価できる。