[I-PD1-01] Fontan適応獲得に必要な条件
Keywords:単心室, Fontan手術, Fontan適応
【背景と目的】Fontan takedown症例は死亡率50%以上との報告もあり,ボーダーライン上の症例においては慎重に適応を判断する必要がある.Glenn後評価時に,Fontan適応の再評価が必要と判断された症例のうち,到達/非到達症例を比較しFontan到達に必要な条件を再検討する.【対象】2005/7~2021/1にGlenn手術を行った452例のうち,術後初回カテ時に再評価が必要と判断された51例が対象.【結果】Fontan到達(F群)は38例,非到達(N群)は13例.Heterotaxyはそれぞれ4/3,TAPVR:3/2,染色体異常:1/2,気切:0/2,脳障害:0/2だった.再評価が必要と判断された主原因はそれぞれ,心機能低下:3/3,房室弁逆流:2/1,PH:12/2,PAI低値:11/1,大動脈・弁下狭窄: 2/0、側副血行多数:2/0,体格・発達:5/2,その他:1/0だった.N群のFontan適応検討中は4例だった.全死亡は4例認めた.Glenn後初回カテデータはそれぞれPAP:15/14,CVP:15/16,SVEDP:8/10,SVEF:57/54,PAI:187/252で有意差なし.評価後に行った治療はそれぞれ手術:16/1(房室弁:5/1,大動脈・弁下:3/0,肺血流調整:3/0,PA形成:2/0,PVO解除:2/0),カテ治療:10/3(PTA:6/1,coil塞栓:4/2),内服強化:9/1 (肺血管拡張薬:4/0,抗心不全薬:5/1),なし:3/7であった.F群の治療介入後カテデータはPAP:11,CVP:12,SVEDP:9,SVEF:56,PAI:216であり,PAP,CVPは有意に改善し,平均14ヶ月後にFontan到達していた. Takedown:1,PLE:2(1例はtakedown症例)を認めたが,Fontan後のカテデータはPAP:11,CVP:12,SVEDP:8,SVEF:54であり、比較的安定していた.【結語】追加治療によりFontan到達した症例は遠隔期も比較的安定しており,肺動脈や房室弁など治療介入が可能な病変がある場合には事前に介入し,より良い条件の元手術に臨むことで安全にFontan到達できると考えられた.