[I-PD2-01] 小児・若年者のVF蘇生後症例に対する植え込み型除細動器治療:自験例から振り返る
Keywords:心室細動, 植え込み型除細動器, 小児
【背景】小児領域でも心室細動(VF)蘇生後に対する植え込み型除細動器(ICD)植え込みはClass I適応である。ICD植え込み法は主に経静脈ICD(TV-ICD)、皮下植え込みICD(S-ICD)、心外膜リードを用いたICD(Epi-ICD)の3種類があるが、症例数も少なく植え込み方法の選択や管理については個々に検討を要する。【目的】ICD植え込みを施行した小児VF蘇生例の植え込み法選択や植え込み後状況について調査する事。【方法】 単施設で18歳未満のVF蘇生後にICD植え込みをした9例について後方視的に検討。【結果】基礎心疾患は, 肥大型心筋症3例、拘束型心筋症 (RCM) 2例、遺伝性QT延長症候群 2例、複雑性先天性心疾患(TGAとTA)2例を含む。全例VF蘇生例で、8例は後遺症なく回復。ICD植え込み時年齢中央値13歳(2−16)。ICD適応は全例クラス1に該当。植え込み法はTV-ICD 5例、S-ICD2例、Epi-ICD2例。TV-ICD5例中3例はペーシングが必要と判断され、2例はS-ICDも検討したがスクリーニングをパスせずTV-ICDを選択。フォロー期間(中央値5年)中の作動状況について、適切作動4例 (44%:TV-ICD2例、Epi-ICD1例、S-ICD1例)、不適切作動1例(11%:Epi-ICD1例)に認めた。不適切作動の原因は、T波オーバーセンシングであった。8例は生存しているが、1例(RCM)は適切作動したものの心停止に陥り死亡した。【結論】小児VFに対するICD植え込みは体格、血行動態、基礎疾患により患者に適した植え込み法を選択する。ICD植え込み後の適切作動頻度は高く突然死予防に有用であるが、原疾患が重症でICDが適切作動しても救命出来ない例もあり基礎心疾患へのICD以外の治療介入も重要である。