[I-PD2-03] 植え込み型心電計の所見によりペースメーカー・植え込み型除細動器植え込みに至った症例の検討
キーワード:植え込み型心電計, 植え込み型除細動器, QT延長症候群
【背景】植え込み型心電計(Implantable Cardiac Monitor:ICM)は発作時の心電図を記録することで心原性失神の病態を明らかにすることができる。当院では原因が明らかでない失神の鑑別に積極的にICMを入れており、その所見によりペースメーカー(PM)、植え込み型除細動器(ICD)の植え込みを検討している【目的】ICMの所見によりPM・ICD植え込みに至った症例を検討する【症例1】14歳女性。学校検診でQT延長を指摘され前医で経過観察されていた。家族歴に失神・若年死亡なし。遺伝子検査でKCNH2 Y472Cの変異を同定している。β遮断薬・左交感神経節切除術でも失神がみられ、鑑別のためにICMを植え込んだところ、失神時にTorsades des pointesを認め、それまで本人がICDを拒否していたが最終的にICD植込に同意した。【症例2】11歳女性。1歳10か月時に疼痛刺激から失神。以後年に数回の同様の失神歴があった。ホルターによる精査では失神につながる所見は得られず。ICMを植え込んだところ1年3か月後に失神あり。ICMにて30秒を超える心静止を認めた。VVI―PM植え込みを行い以後失神なし。【症例3】7歳女性。学校検診の問診で痛み刺激時の失神の記載があり。ICMを植え込んだところ、半年後に失神あり、30秒に及ぶ心静止を認めた。VVI-PM植え込み後失神無し。【考察】心抑制型反射性失神の診断にはICMによる発作時心電図が極めて有用である。また若年の遺伝性不整脈患者においてはICMによる病態把握・治療介入の効果判定が有効であり、本人の納得にも寄与することが明らかになった。