[I-PPD1-03] 純型肺動脈閉鎖症における主肺動脈End diastolic forward flowの定量評価 ~右室拘束性血行動態の程度を反映する~
キーワード:右室拘束性循環, 拡張末期順行性血流, 心臓MRI
【背景】ファロー四徴術後の主肺動脈における拡張末期順行性血流(End diastolic forward flow;EDFF)が右室拘束性循環動態(rRV)を反映するかどうかについては議論がある。前回学術集会で我々は二心室修復の純型肺動脈閉鎖(PAIVS)・重症肺動脈弁狭窄(cPS)における心臓MRI(CMR)によるEDFF定量がrRVの程度を反映し1.5心室手術へのtake-down適応判断に有用であることを報告した。【目的】今回CMRを用いて主肺動脈EDFFの持続時間を含めて定量し、同時期に施行した心エコー・カテーテルデータと比較検討した。【対象】二心室修復を行ったPAIVS/cPS 10例(PAIVS 5例/cPS 5例)。年齢;6~21歳(中央値;12歳)、男;女=8;2。【方法】CMRで主肺動脈を関心領域としてQ-flowのTime-Flow curveからEDFF(mL/m2)定量とEDFF持続時間(Ted)とRR時間(RR), 拡張期時間(Td)の比(Ted/RR, Ted/Td)を算出。RVEDVI, ESVI, 肺動脈弁逆流率(%RF)、三尖弁輪径(TV-Zscore)、平均右房圧(mRAP)、右室拡張末期圧(RVEDP)との関係について検討した。【結果】全例でEDFFを認め、総順行性血流(FF)に対する比(EDFF/FF;0.5~33.9%)は、RVEDVI(37.9~139mL/m2)でr=-0.85, ESVI(19.1~92.7mL/m2)でr=-0.77, TV-score(-6.0~0)でr=-0.83と有意に負の相関関係(p<0.01)を、RVEDP(4~16mmHg)でr=0.81, mRAP (2~13mmHg)でr=0.79、Ted/RR( 0.025~0.436)で r=0.88、 Ted/Td(0.042~0.681)でr=0.88と有意な正の相関関係(p<0.01)を示した。【考察】EDFF定量はrRVの程度を反映し、右室の拡張時間が短縮することでEDFFの持続時間(Ted)が延長し、EDFF増加の一因となっていると考えられる。