[I-PPD1-04] PAIVS, Hypoplastic RVで1.5心室修復に到達した3症例の中長遠隔期検討
キーワード:PAIVS, One and a half repair, RVOTR
【背景】PAIVSに対して出生時の右室容積と三尖弁輪径(TV)に応じ2心室修復もしくは単心室修復の選別を行うが,当院では一般に単心室修復とされるRVEDV <30%症例に対しても積極的に右室循環を維持する方針で1.5心室に到達した3例を経験した.そのうち遠隔期に右室成長に伴い1.5心室から2心室にconversion可能であった稀な症例についても経過を報告する.【目的・方法】当院で1993.5~2021.3にPA/IVSと診断された23例について,単心室群, 1.5心室群,2心室群の3群にわけ初回カテでの右室容量, 三尖弁弁輪径(TV)について検討した.さらに1.5心室に至った3症例を個々に検討した。【結果】RVがtripartiteで三尖弁異形成がなく, 類洞交通のない症例で1.5心室以上を目標としていた.全例が生存しており,最終修復は2心室: 7例(30%),1.5心室: 3例(13%),単心室: 13例(56%).初回カテRVEDV; 2心室群: mean 73.8%N,1.5心室群: 26.1%N,単心室群: 18.1%N. TV(TEE) ; 2心室群: mean 11.1mm(Z=-1.97),1.5心室群: 6.1mm(Z=-11),単心室群: 4.6mm(Z=-13)であった.主要類洞交通は2心室, 1.5心室群にはなく, 1心室群に3例(4.3%)に認めた.遠隔期に1.5心室群のうち1例が2心室へconversion.1例がTCPCにconversionを行った.1.5心室から2心室にconversionした症例はRVEDV 21%Nであったが生後15dにBrock+ Lt.mBTS施行.5mにRVOTRを行いRVEDV 61%Nまで成長し2y8mに 1.5心室修復施行. その後PR moderate~severeで経過していたが19yにRVEDV 86%NとなりPVR, BDG take downによる2心室修復を施行して良好な2心室循環が成立している.【結語】2心室,単心室循環に至った症例は出生時の右室容積がそれぞれ70%以上, 30%以下であった.右室容量20%Nから1.5心室修復後に2心室循環に到達した症例もある一方1.5心室からTCPCにconversionが必要な症例もあり転帰にはRVOTR施行時期やPRの有無が関与している可能性があると考えられた.