[I-PPD2-01] 低体重児救命のための積極的介入
キーワード:カテーテル治療, 先天性心疾患, 早産低出生体重児
【背景】早産低出生体重や心外合併疾患を有する先天性心疾患児は,通常の治療計画では救命率が低い.肺血流増加型心疾患に対する外科的な肺動脈絞扼術や動脈管結紮術は治療戦略として確立してきた一方で,その他の疾患では個々で難しい判断が必要となることが多い.【目的】当院にて施行時体重2000g未満でカテ治療を行なった症例を外科治療とも対比し現状を明らかにすること.【方法】2000年から2022年に当科にて施行時体重2000g未満でカテ治療(hybrid含む)を行なった9例と同時期の外科治療18例を後方視的に検討した.同時期に施行された動脈管開存に対するカテ治療5例,外科的結紮術140例,両側を含む肺動脈絞扼52例は除外した.【結果】カテ治療9例は,出生週数33週(28-37),施行時日齢6(0-34),施行時体重1109g(504-1886)であった.治療内容は,単純型CoAのステント留置4例,TGAのBAS2例, cASのバルーン弁形成1例, TAPVCの垂直静脈へのステント留置1例,肺動脈弁下筋性狭窄に対するステント留置1例で,転帰は生存6例(全例外科手術到達),死亡3例であった.成一方の外科治療18例(人工心肺使用16例)は,出生週数34週(28-37),施行時日齢11(0-164),施行時体重1800 (1105-1995) gであった.治療内容はTAPVC修復術4例,CoA/IAAへの大動脈再建術4例,Jatene術2例,EbsteinへのStarnes変法2例,Norwood型手術2例,BTS,右室流出路形成,VSD/ASD閉鎖が各1例で,生存13例,死亡5例であった.【考察】出生週数はほぼ同等だが,カテ治療はより小さい日齢(p=0.06),体重(p<0.01)で施行されていた.未熟性と疾患の多様性から治療限界を含めて判断は難しいが,カテ治療の死亡2例は手技や治療戦略の成熟により救命の可能性もありえたと思われる.【結語】チームによる緩和ケアを含めた方針選択には症例毎に熟考が必要である.その中で,外科的修復につなげるカテ治療により救命される症例も一定数ありうる.