[I-PPD2-06] カテーテル的肺静脈ステント留置術の留意点
Keywords:カテーテル治療, 肺静脈狭窄, ステント留置
【はじめに】繰り返す肺動脈狭窄は治療抵抗性であり、当院では肺静脈ステント留置を治療戦略の中心としている.肺静脈ステント留置方法として経カテーテル的留置と開心術にての直視下hybrid留置があり、留置方法はカンファレンスにて決定している.経カテーテル的肺静脈ステント留置施行例を検討し手技上留意点を考察する.【対象・方法】2018年から2023年1月までに当科にて経カテーテル的肺静脈ステント留置をした例を後方視的に検討した.【結果】10症例11病変に12本ステント留置.単心室6例,二心室5例.年齢2-98ヶ月(中央値61ヶ月), 乳児4名, 体重2.9-16.9kg(中央値9.5kg). 留置ステント:coronary用stent 4本(径/長さ: 4/9:1本, 4/12:2本, 4/28:2本), Express SD 4本(5/15:1本, 6/18:3本), Express LD 4本(7/17:1本, 8/17:1本).留置部位:LLPV4, LUPV3, LPV1, RUPV2, RLPV1.【手技上留意点】1)事前にステントのrated pressureで狭窄が消失することをステントより1-2mm径の小さいバルーンで確認、高耐圧が必要であれば1-2mm径の小さい高耐圧バルーンで前拡張行う. 2) RLPVへのステントは角度から内頸静脈アプローチを選択. 3)上下が近接しLLPVに既にステント留置されている場合既存のLLPVステントを狭くさせないためにLLPVにバルーンinflationしながらLUPVへのステント留置施行. 4)ステントcellを介する追加ステント留置は事前に高耐圧バルーンでcell拡大を行う. 5)2ヶ月,2.9kgのLPVに対するステントはLA開口部からPV分枝までの距離が短くcoronary用径4mm長さ9mmの短いステントを使用.留置時に胃管はランドマークとして有用【まとめ】経カテーテル的ステント留置はHybrid留置に比べてステント長さを切る選択肢がない制約はあるが、適切なサイズがある場合有効な選択肢となり得る.