[I-PPD2-08] Modified balloon assist techniqueがデバイス留置に有効であった小児心房中隔欠損の治療経験
Keywords:心房中隔欠損, カテーテル治療, 経皮的心房中隔欠損閉鎖術
【背景】欠損孔が大きい小児の心房中隔欠損は左房径が小さくカテーテルの操作が困難なため、balloon assist technique等の特殊な手技を用いてもデバイス留置が困難な場合がある。【症例】 9歳男児。欠損孔径は27.7*16.4mmでValsalva rimがなくsuperior・SVC・posterior rimも乏しい大欠損であり左房も小さくchallenging caseと予想されていた。留置後のデバイス圧迫によるびらんを避けるためにValsalva側にflared shapeに意図的に留置する方針としてballoon sizing径28.5mmよりやや大きめのOcclutech Figulla FlexⅡ 30mmを選択。Balloon assist techniqueを含む手技では左房ディスク前方が右房に脱落して留置できなかった。そこでサイジングバルーンを拡張したままで右上肺静脈アプローチを組み合わせたところ (modified balloon assist technique)、左房ディスクとValsalvaまでの距離が遠くなりかつバルーンがクッションの働きをなして左房ディスクを受け止めてデバイスの右房への脱落を防ぎ一回で留置できた。留置後一過性の房室ブロックを認めたものの、現在留置後6ヶ月が経過しているが遺残短絡・びらん・不整脈等の合併症は無く推移している。【結語】欠損孔が大きく左房が小さい小児心房中隔欠損症例に対して、modified balloon assist techniqueは有用である。